――既に第3話までオンエアされていますが(取材時)、放送はご覧になりましたか?
見ました! 見ましたけど、「あんまり影響は受けないように!」みたいな。だから、一視聴者として楽しく見ていましたね。でも、少年時代のお二方のお芝居が素晴らしくて。僕も一応子供時代も受けたんですよ。なぜか、カイと修平を受けて、修平だけ「子供時代もやってみません?」って言われて。だから、その時点でカイはなかったのかなって(笑)。でも、やっぱり僕がやっても無理があったので、そこはもう少年の声をナチュラルに出せる大地さんと白石(涼子)さんはすごいなっていうか、シックリくるなって思いましたね。
――原作の方も読まれているんですよね。
まずオーディションの時に原作を読ませていただいて、最初は修平の該当箇所だけを探して読んでいたんです。でも、読んでいくうちに「すごく面白いな!」と思って。結局、最初から全部読んじゃったんです。それくらい、作品の音楽やピアノに対する情熱っていうのが伝わってきて。キャラクターも個性的で、それぞれが考えている事は違うけど、共感できる部分がいっぱいあって。「ピアノに命を懸けている人たちが、いっぱいいるんだな」っていうのが伝わってくる作品だと思いました。
――原作を読まれて、アニメも見られてということで、花江さんが考える作品の最大の魅力ってどんなところでしょうか?
中心にあるのはピアノ、音楽ではあると思うんですけど、その音楽を介して登場人物たちがどう生きていくのかが見どころの1つですね。心の動きや、人と人との繋がりがピアノを通して描かれていて、その中で結構泥臭いシーンとかがあって。修平は、嫉妬したり、イライラしたり、そういうみんなが抱えている心の深い部分なども描かれています。僕的に、そこは修平を演じている立場で見ちゃいますね。
子供時代でも、誉子が出てきた時にカイが慰めてあげて、誉子が弾き切った後、高揚感というかウルッと来ちゃったりして。「気持ち次第で人は変われるんだな」とか、「努力が報われて良かったな」とか、そういう部分が丁寧に描かれているのが「ピアノの森」のいいところだなって思います。
【アニメ「ピアノの森」花江夏樹、「音楽は人の心を動かすと思うので、何かを感じて見ていただけたら嬉しい!」へと続く。同記事は5月27日(日)朝9時配信予定】