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舞台「信長の野望・大志」千秋楽! 続編では武田信玄&上杉謙信とのWストーリーで再び“if”の歴史を描く!!

2018/05/29 07:00

全16公演を終えた舞台「信長の野望・大志」。大役の織田信長を演じ切った鶏冠井孝介は、「今はすがすがしい気分です」とコメントした
全16公演を終えた舞台「信長の野望・大志」。大役の織田信長を演じ切った鶏冠井孝介は、「今はすがすがしい気分です」とコメントした撮影:橋本千尋


東京・CBGKシブゲキ!!にて上演されていた「信長の野望・大志 -春の陣- ~金泥の首編~」が、去る5月27日に千秋楽を迎えた。「信長の野望・大志」は同名の歴史シミュレーションゲームを題材に、「SIDE織田」「SIDE浅井」という視点の異なる2パターンの公演を交互に上演したダブルストーリーの稀有な舞台。2人の主人公――織田信長は俳優・鶏冠井孝介が、浅井長政は俳優・小西成弥が務め、信長の妹・お市はモーニング娘。6期メンバーの田中れいなが好演した。

千秋楽では続編「-冬の陣- 王道執行 ~騎虎の白塩編~」の予告映像も披露され、こちらは11月8日(木)~12日(月)、東京・シアター1010にて上演予定となっている。鶏冠井、田中の続投も決定。次回は「SIDE織田・徳川」「SIDE武田・上杉」でのダブルストーリーで描かれる。稽古中のインタビューから追いかけた本舞台最後のレポートは、続編に向けての高まりも込め、鶏冠井、田中、小西たち総勢31名の振り返り、そして公演後に取材した鶏冠井、田中のコメントを紹介する。

ダブルストーリーで2人の心理、行動を描きながら、最後に並び立てなかった2人の夢が対決を生む。史実とは違う流れながらも、史実を下敷きにした決着はただの歴史の改ざんではない
ダブルストーリーで2人の心理、行動を描きながら、最後に並び立てなかった2人の夢が対決を生む。史実とは違う流れながらも、史実を下敷きにした決着はただの歴史の改ざんではない撮影:橋本千尋


歴史好きにも興味深い信長と長政の交錯するドラマ


永禄3年(1560年)。尾張の織田信長が桶狭間の戦いで今川義元の大軍を打ち破った数か月後、近江では浅井長政が野良田の戦いで六角軍を撃破。時同じくして戦国の雄として表舞台に現れた2人は同盟、敵対を経て、天正2年(1574年)に長政が城にて自害したという史実がある。

長政の死までを描くということで、この14年に及ぶドラマを2時間30分に圧縮するのかと思いきや、ゲームがプレイヤーの操作で歴史を動かしていくように、平成の記憶を持つ信長と長政――輪廻のようなものか、平成の何者かの記憶が宿ったのかは受け手の想像に委ねられる風だった――は、史実とは異なる歴史へと道を変え、その先で長政は史実より早く散っていった。

舞台をゲーム内世界、信長、長政をプレイヤーとして捉えることもできるが、なりきり劇ではない。自身の最期を知る故に、より良い未来を夢見る2人の姿は、歴史に抗おうとする人間ドラマとして描かれ、徐々に史実からずれていく物語は先の読めない展開に。「そこが変わったらこの先は…!?」と、史実の重要事項が塗り替えられていくのだが、ここがダブルストーリーの妙でもあった。

交錯し、並行する信長と長政の行動を分岐エピソードの形で見せ、「SIDE織田」「SIDE浅井」の両編でまったく違う劇を展開。パズルのピースをはめるように相手側の行動が見られる面白さというのはもちろん、信長と長政にどんな事情、思惑があったのか。それぞれへ視点を絞ることで感情移入の深いパートに仕上げられていた。

下に続きます
■DVD「舞台『信長の野望・大志 -春の陣- 天下布武 ~金泥の首編~」』
後日発売
■続編「信長の野望・大志 -冬の陣- 王道執行 ~騎虎の白塩編~」
11月8日(水)~12日(月)東京・シアター1010
【HP】https://nobunaga-stage.com/
【Twitter】@nobunagastage

■鶏冠井孝介公式Twitter
【Twitter】@KAIDANGER_
■鶏冠井孝介公式ブログ
【blog】https://ameblo.jp/kaide-kousuke/

■小西成弥公式Twitter
【Twitter】@seiya0906
■小西成弥公式ブログ
【blog】https://ameblo.jp/seiya-konishi/



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  • 全16公演を終えた舞台「信長の野望・大志」。大役の織田信長を演じ切った鶏冠井孝介は、「今はすがすがしい気分です」とコメントした
  • 【写真を見る】信長の妹・お市を演じた田中れいなと鶏冠井。田中もこれまでとは違う魅力を見せてくれた
  • 浅井長政を演じたのは小西成弥。信長に相対するもう1人の主役として強い存在感を放った
  • 初日公演では続編決定のサプライズが。鶏冠井孝介、田中れいなは続投が決定している
  • 戦国の天下に立つという夢を見た2人。その夢を「SIDE織田」「SIDE浅井」の2つの視点に凝縮し、観客を引き込んでいった
  • 当初は平成の記憶を持つ故の戸惑いのもと、“信長になった者”の顔が覗いていたが、長政の裏切りを受け、強い意思を持つ信長そのものにその姿を変えていった
  • 小西は死を避けたいという思いと、信長に勝ちたいという悔しさと劣等感に苛まれる長政を。表情には常に長政の苦悩が垣間見えた
  • ダブルストーリーで2人の心理、行動を描きながら、最後に並び立てなかった2人の夢が対決を生む。史実とは違う流れながらも、史実を下敷きにした決着はただの歴史の改ざんではない
  • 天下取りを夢見た長政は朝倉攻めの際に裏切りを。練られた脚本による歴史との絶妙なずれ方が先を予感させつつも、「どうなるのか?」という引き込まれる展開を生んだ
  • 後日DVDも発売。できるなら「SIDE織田」「SIDE浅井」を同時再生し、分岐エピソードを見比べながら見ていくのも楽しいかも
  • 全キャストが登場したオープニングパフォーマンス。殺陣を交えた男性陣の力強い舞踏と、扇子を手にする女性陣の舞いが華やかな群舞を作る
  • 群舞の途中から田中れいなの歌声が重なり、会場に美声を響かせた
  • オープニングでは紗幕を使った演出も。オープニングには物語を綴る絵巻物的な意味も込められ、DVDを手にするなら役者それぞれの動きにも注目したい
  • 速さと迫力が1つになった殺陣は圧倒的。太刀と小太刀の二刀を振るう者、槍をぶん回す者。剣士の殺陣ではなく、戦国の戦模様というド迫力の殺陣だった
  • まさに乱戦という様相で、右でも左でも剣劇が繰り広げられた殺陣シーン
  • 定まった天命に抗おうと、史実とは違う動きを見せる信長と長政。信長の京への上洛の際に井伊直虎を従軍させるというのもその1つ
  • 女城主、井伊直虎を演じたのは宝塚歌劇団出身の緒月遠麻。宙組で男役を張っていただけに、男性陣に見劣りしない切れのある殺陣を決めてみせた
  • 直虎の侍女・瞼。演じたのは緒月と同じく宝塚で男役を務めていた香音有希で、緒月と息の合った殺陣を披露した
  • 後藤健流演じる木下秀吉(右)も実は平成の記憶を持つ者だった。戦国好きという役柄で、歴史から変わる流れにアタフタするのだが、それがとても“猿”らしくコミカルだった
  • 秀吉の妻・ねねを演じたのは大鳥れい。元宝塚歌劇団花組トップ娘役だったベテランだ
  • 天才軍師・竹中半兵衛(左)を演じたのはモデルとしても活躍する黒貴。様になりすぎる姿
  • 信長軍のバカ代表で、存在感抜群だった八巻貴紀演じる前田利家。とにかく台詞回しが面白く、大事なシーンで小芝居を入れるため、中央の芝居そっちのけで目が行ってしまった
  • 徳川家康を演じたゴローちゃんこと、竹石悟朗。顔芸が素晴らしく、ずいぶんひょうきんな家康だったが、癖のある楽しい芝居を。座す時の所作は「お!」としたところ
  • 家康のバカ友達…ではなく家臣の酒井忠次(左)と石川数正(右)。演じたのは大海将一郎と石渡真修。仲良き3人は息の合った芝居と殺陣で、笑いと感嘆を誘った
  • 生き生きした殺陣を見せる大海将一郎の忠次
  • 石渡真修演じる和正。手にするのは大太刀で、武将の武器の細かい違いも面白いポイントに
  • 屈強な武将の中、優美さを光らせた谷佳樹の明智光秀
  • 信長と一騎打ちをする長政の背後に突然現れ、刀を突き刺した光秀。続編でさらに暗躍する予感
  • 鵜飼主水が演じた柴田勝家(左)、仲井真徹が演じた海北綱親(右)の一騎打ちは随一の見せ場に
  • 海北綱親は浅井の下、猛将と名を馳せた男。柴田との一騎打ちで見事な散り際を見せた
  • 信長家臣の重鎮として有名な丹羽長秀を演じたのは中村ヒロユキ(左)
  • 長政に裏切られ、窮地に陥った信長を逃がすため大立ち回りを見せた七枝実演じる森可成。今回の舞台で彼が森蘭丸の父であることを知った人も多いだろう。歴史ネタも随所にあった
  • 信長家臣の佐久間信盛。演じたのは岡田隆之介で、お笑い芸人ますだおかだの岡田圭右の息子。役柄上へっぴり腰の殺陣があり、田中たち女性陣から「可愛い~」という声が飛んでいたとか
  • 信長家臣、蜂須賀小六(左)を演じたのは田中しげ美
  • 浅井家臣で随一の猛将と知られる赤尾清綱は吉田宗洋が演じた。豪胆な芝居で、殺陣では柄の長い独特な刀を振るった
  • 浅井家忍びを束ねる遠藤直経。演じたのは福場俊策
  • 遠藤直経は本来の歴史では、後々、信長暗殺をあと一歩で成功させる人物だ。それを知る光秀は罠を仕掛け、この時点で殺害した
  • 光秀は以前の主君である朝倉義景をも手に掛ける。暗躍感は半端なかった
  • 朝倉義景を演じたのは幸村吉也。アクション指導の仕事もしているベテランだけに、殺陣の最中、刃こぼれをチラっと見る細かい芝居を入れ込んでいた
  • 加藤凛太郎が演じた将軍・足利義昭(左)。脇での芸が細かかった。義秋→義昭の改名という歴史ネタも「ほうほう」とするところだった

関連人物

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