「中国だけで終わりたくない」逆輸入俳優・矢野浩二 日本の作品でも存在感
今、“逆輸入俳優”が活躍している。2015-2016年のNHK連続テレビ小説「あさが来た」(NHK総合ほか)をきっかけにブレークしたディーン・フジオカをはじめ、確かな演技力とフレッシュな存在感を併せ持つ彼らは、見る者に鮮烈な印象を与えている。ドラマ「警視庁・捜査一課長」(テレビ朝日系)シリーズで鑑識課員・武藤広樹を演じる矢野浩二もその一人だ。
2000年から中国のドラマ・映画などで活躍し、2008年からはバラエティ番組「天天向上」のレギュラーも務めるなど、中国で最も有名な日本人俳優といわれている矢野。2016年からは本格的に日本でも活動をスタート。「警視庁・捜査一課長」シリーズのほか、ドラマ「相棒16」(テレビ朝日系)や「陸王」(TBS系)、「コンフィデンスマンJP」(フジテレビ系)へもゲスト出演し、安定感ある演技を見せている。そんな矢野に、日中での撮影現場の違いや日本での俳優活動への思いを聞いた。
「役者としてはリセットになるかもしれない」
ーー中国で大活躍中の矢野さんですが、日本に戻る決意は徐々に大きくなっていったんですか?
機会があれば、日本に戻ってやりたい思いはずっとありました。僕が気にしていたのは“中国だけで有名な日本人”。中国では知られていても、日本では無名。そこが引っ掛かっていたんです。それに中国で芝居をしながら、自分が生ぬるい環境にいるんじゃないかと思って。
ーー生ぬるい環境というのは?
現場にはいるほとんどの共演者、スタッフは中国人じゃないですか。日本語のチェックをする人がいない。つまり、僕の芝居は自己申告でやっていくんですよね。日本語のセリフを間違っても、僕が言わなければそのままOKになってしまう。 それが自分の甘さに繋がるんじゃないか。この環境では日本人俳優としての表現力を落としてしまいかねない。
僕自身は自分に厳しくしているつもりでしたが、どこかで甘えが出るんじゃないかと。 やっぱり中国だけで終わりたくなかったですから。そのためにも思い切った転換をしないと次のステージには行けないと思いました。そういう意味でも日本で芝居がしたいと。ただ、ある意味で、役者としてはリセットになるかもしれないと思いました。
ーーその機会が2016年に訪れます。
「警視庁・捜査一課長」のレギュラー出演ですね。日本も中国も芝居という点で戸惑いはありません。ただ、「警視庁 捜査一課長」の武藤役はシーズンを重ねる度に、僕の中で変わっています。観ている方が感じているかどうかはわかりませんが。同じ人物に見えないんじゃないかなと思うぐらい(笑)。
ーー自分自身が変えていったんですか?
常に僕なりの試行錯誤をしているんです。しっくりする部分を探しているというか。シーズン3を迎えて、色んな共演者の方とのセッションで見つけたアイデアからようやく武藤が見えてきたと思っています。
やっぱり、役者というのはあがかないといけないと思います。常にあがいて、やっていかないといけないなと感じています。
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