映画「スープ・オペラ」の完成披露試写会が11日、都内で行われ、出演の坂井真紀、西島隆弘（AAA）、藤竜也と瀧本智行監督、原作者の阿川佐和子が登場した。
本作は阿川の同名小説を映画化したハートフルな人間ドラマ。一緒に住んでいた叔母のトバちゃん（加賀まりこ）が家を出て行き、独りぼっちになったルイ（坂井）は、ひょんなことから、画家のトニー（藤）と編集者の康介（西島）と奇妙な共同生活をすることになる。
自身が演じたルイを“裸のような心を持つ女の子”と話す坂井は「いろんな役を演じてきましたが、こんなにも孤独を感じた役柄はありませんでした。でも、その反面、温かい気持ちが胸の中で渦巻いていました。人の温かさなど、ささいなものを感じ、吸収した日々でした」と撮影を振り返った。
同居人の1人である康介役の西島は「瀧本監督に『画面に写る時は、ひまわりが咲くような笑顔でずっといろ』ということを言われ続けました。たまに、ぎごちないと言われたこともありますし、笑顔を絶やさずにいるのは難しかったですね」と苦戦した様子。
“怪しいおじさん”を好演した藤は「怪しいのは得意ですからね(笑)」と笑顔でコメント。「(演じた)トニーさんと僕の似ているところは、面白いことが大好きなところで、違うところは、面白いことを見つけるトニーさん自体が面白いんですが、僕はつまらないんですよ。だから、トニーさんみたいな男っていいなぁと思いますね」と理想の男性像について語った。
瀧本監督は「今までアドリブみたいなものは認めてこなかったんですが、1回目のテストで息がぴったり合ったアドリブをされたので、さすがに認めざるを得ないなと思いました」とキャスト陣のチームワークの良さを明かした。
阿川は「自分自身の作品をけなすのもなんですが、そうドラマチックな話でもありませんし、これが成立するかなと思っているところもありました。この世知辛い時代に、根気強く、愛情を込めて映画を作ってくださったことが本当にうれしかったです」と感謝の言葉を述べた。
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