いつも原作を現場に持って行きます
――演じられる幸について教えてください。
幸は学校ではいじめを受けて、家では虐待されて、上杉さん演じるお兄さんと暮らし始めるのですが、幸はお兄さんの前では明るく無邪気な女の子を演じているんです。その裏には、いろいろな思いが隠れていて…。
私は明るい性格の役の方が苦手なので、演じるときはいつも「よし、やるぞ!」と気合を入れてから撮影に臨んでいます。
逆に、本心をさらけ出すシーンでは、幸の気持ちにすっと入ることができたと思います。
――そんな幸に、共感できるところはありますか?
幸はいろんなことをあきらめていて、普通の幸せを知らないのですが、お兄さんと生活を共にすることで成長していくんです。
私自身も割と「冷めているね」と言われることがあるので、そういうところは共感できますね。
――演じられる上で、心掛けていることはありますか?
いつも原作を現場に持って行くようにしています。撮影するシーンと同じところを何度も読んで、幸の表情や心情をイメージしながら「口ではこう言っているけど、本心はこうだから…」と整理しながら演じるようにしています。
それと、明るく振る舞うことに苦手意識があったのですが、体を動かしながらせりふを言ってみたり、立ち上がったりしながら演じてみると、明るい幸を表現しやすくなることが分かりました。
今も幸を演じながら、日々幸の像を深めていっている感じです。