「第10回テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞」の受賞者が決定!!
有能な脚本家の発掘と育成、制作現場の活性化を目指して開催されている「第10回テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞」の発表会見が16日、テレビ朝日で行われ、選考委員の井上由美子氏、岡田惠和氏、両沢和幸氏、そして受賞者の3人が出席した。
同シナリオ大賞は、'00年7月にテレビ朝日によって創設され、今までに7人の大賞受賞者、22人の優秀賞受賞者を輩出している。そんな中、'09年の第9回大賞に選ばれた小山ひとみ氏の作品「臨月の娘」は、'10年3月に筧利夫と桐谷美玲の主演でテレビドラマ化。また、'02年の第2回に大賞を受賞した古沢良太氏は、「相棒」のSeason IVからVIIIまでの脚本にも参加し、'05年に公開された映画「ALWAYS 三丁目の夕日」で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞するなど、輝かしい活躍を続けている。
今回は、同シナリオ大賞に1564篇の作品の応募があり、日本脚本家連盟に所属する脚本家たちで行われた第1次選考では154篇が通過。テレビ朝日のプロデューサー、ディレクターたちで行われた第2次、第3次選考では、10篇までに絞られた。その後、最終選考会では、井上氏、岡田氏、両沢氏が大賞と優秀賞を決定。惜しくも大賞は該当なしとされ、優秀賞には、森戸恭子さんの「今夜は泣いても」、井上直哉さんの「神童と呼ばれた少年」、浅香憂子さんの「虹の祈り」の3作品が選出された。大賞の該当がないことについては、3人の選考委員が口をそろえて「3人の意見が割れてしまった…」と理由を明かした。
選考委員・井上氏からの推しで優秀賞に選ばれ、捜査する刑事と完全犯罪をもくろむ少年との姿を描いた井上さんは「自分の色が出せたなと思った。でも、読み返してみると誤字脱字はあるわ…自分の実力は、まだまだだなって思います」と受賞後の感想を述べた。また、選考委員・両沢氏から「自分の娘が殺されるという重いテーマ。犯人が出所して(被害者遺族が)どうやって対峙(たいじ)するのか…なかなか難しいのにチャレンジしている」と称賛された浅香さんは「かなり昔に、同級生に息子を殺された母親が、彼らと同じ年の母として『彼らには更正してほしい』と言っていたのに驚き、その言葉が心から離れませんでした。なぜそのようなことを言ったのかという思いが、わたしにこの作品を書かせた」と執筆への経緯を語った。
そして、「力を持っている人。これからどうやって生かしていくかは本人次第」と選考委員・岡田氏から活躍を期待された森戸さんは、今後書いてみたい作品のテーマを問われ「不条理な状況に直面した人が、それにどうやって対応していくのかっていうのをなるべくユーモアを含んだ感じで書いていきたい」と意気込みを語った。