すぐに入り込めるのが糸村
――“特対”のメンバーと1年ぶりに再会して、いかがですか?
レギュラーの方々とは、お芝居においても、それ以外の時間においても何の不安もないです。
「遺留捜査」は、2011年のシリーズ化から年々メンツを変えて送ることになりましたが、特対の撮影初日から、不思議な“なじみ感”というか、しっくりきているような空気感の中でスタートしました。
今回、梶原さんが新たに加入されましたが、きっとまた良い空気感の中でスタートする予感がします。
――2017年から舞台が京都に移ったことで、何か新しい発見はありましたか?
「遺留捜査」という作品は京都に合っていると感じています。誰かの思いが込められた物=遺留品と、京都という街がマッチしている気がします。
京都にももちろん都会的な部分はあるのですが、ちょっと路地裏に入ると、風情のある街並みがあって、そこで自転車を漕いでいる糸村の姿が、不思議となじんでいます。
ただ、糸村は舞台を選ばない人物なので、沖縄のシーサーの前にいても、北海道のニポポ人形の前にいてもなじむんでしょうけれど(笑)。
――京都での撮影で、楽しみにしていることは何かありますか?
京都は本当においしい物が多いので、京都ならではの食べ物をちょっとだけ頂いて東京に戻って来ようかなと思います。
昨年、一番膝をたたく思いをさせていただいたのは、“おばんざい”でしたね。あと、セットに冷房が入りました(笑)。これで2018年の夏も乗り切れそうです。
――上川さんにとって、7年にわたって演じてきた糸村はどのような存在ですか?
僕にもつかみかねている“ごく遠縁の親戚”のような存在です。苗字も違って、連絡をいただいても「誰?」と思うような……。かといって、縁が切れているわけではない、不思議な距離感です。
糸村を演じるに当たっては、何の準備もいらないんです。「明日から撮影です」と言われても、すぐに入り込めるのが糸村。僕自身は、普段から糸村を意識しているわけではないのですが、1年ぶりに糸村に会って、演じていると僕の思惑を超えていろんなことをし始めるので、そこは心底楽しいです。