独断と偏見のレビュー
まず声高に一言叫びたい。山崎賢人ファンの方、安心してください! 最高のスタートダッシュを決めてくれていますよ。
ただでさえ小難しい言葉が並びがちな医療ドラマであるのに加え、サヴァン症候群の後期研修医が主人公ということで、理解するのが難しいドラマなのではないか、と思うでしょ?
筆者も前情報をほとんど入れずにドラマの第1話を見るタイプなので、実は少しそう思っちゃっていた。
ところがどっこい、いい意味で軽々と期待を裏切られた。この見やすい脚本は誰が書いているのかと思ったら、勝手に2018年No.1ドラマと思っている「海月姫」の徳永友一先生じゃないか。
それで腑に落ちた。敵キャラチックなのが全然いないわけではなく、当然主人公の邪魔をしようする(あるいは毛嫌いする)キャラクターがいるのにもかかわらず、全体を通して“あったかい”んだからぁ。
夏のせいかちょっと変なムシが混じってしまったが、それはさておき、クーラーをガンガンかけた部屋で見ていても全然冷えない温かみ。体感温度とは違う意味だと重々承知しつつ、本当にあったかい。
序盤、湊先生の名刺代わりの応急処置に始まり、先輩医師、上層部の反対、患者相手にひと悶着…とこの手のドラマにおいてはセオリーともいうべきところは盛り込みつつ、一人一人のキャラクターをうまく際立たせる描写もチラリ。
例えば、この規模の病院の理事長役!ということに少々驚いたが、中村はちょっぴりセクシーな雰囲気(受け取る側の問題か?)を醸しだし、院長役の柄本はとにかくおおらかに湊を包み込む優しいオーラを。というか、柄本パパのこういう役も久しぶりに見た気がする。
あとは、野心を隠しているつもりで全然隠れていない板尾創路演じる副院長、雑に表現するといつも通りの戸次さんな小児外科長役の戸次重幸、看護師チームにいたか!安定のハマケン。
個人的に今度学会で発表したいところだが、「ハマケンのいるドラマに外れなしの法則」はこのドラマでも更新しそうだ。
湊らを束ねる小児外科のエースを演じる藤木。あまり書けないが第1話を見てすぐに、これはすごいレベルの外科医なんだなというのは伝わってきた。
湊を何かと気にかける立ち位置になる小児外科医役の上野も、小児外科医にいたら絶対好かれるタイプのキャラクター。っていうか病気じゃなくても通うレベル。
何より、それぞれアテガキしたかのようにズバズバっとキャストとキャラクターがハマっている気がした。
そしてわれらが湊先生役の山崎。並外れた記憶力を持っているということで、あっさり人の名前や病状など暗記してまうのだが、普通そうやってズバズバ言われるとイヤミなやつだと思われがちだが、全然イヤミに感じないのは、山崎が醸し出す温かさからだろうか?
スチール写真を見ても分かると思うが、優しいオーラが画面からこれでもかとにじみ出ている。どこかの頭痛薬は半分優しさでできているらしいが、湊先生は95%くらい優しさでできているのでは?
ちなみに第1話に出てくる母子の演技もほれぼれするくらいうまい。試写会で報道陣も泣いていたというが、それもうなずける仕上がりになっている。
そんなこんなで、久しぶりに手放しで絶賛してしまったが、一つだけケチをつけるとしたら、夏クールに放送してしまったこと。
だって、このドラマを見るとあったか過ぎて汗が止まらないんだもの…。
と思ったけど、それはただの多汗症ですね。小児科行って診てもらいましょう。
いや、よく小学生と背丈比べで負けるけど小児科はムリか。
残念…湊先生に診てもらいたかったのに。
※記事内、山崎賢人の「崎」は正しくは「立さき」
文=人見知りシャイボーイ
7月12日(木)スタート
毎週木曜夜10:00-10:54
フジテレビ系で放送
※初回は夜10:00-11:09
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