TBS系で8月14日(土)に放送される終戦ドラマスペシャル「歸國(きこく)」の制作発表会見が1日、都内のホテルで行われ、出演者のビートたけし、小栗旬、堀北真希、向井理、塚本高史、ARATA、遠藤雄弥、温水洋一、生瀬勝久、八千草薫、石坂浩二、長渕剛、脚本家・倉本聰氏、演出・鴨下信一氏らが登壇した。
本作は、終戦記念日の8月15日、深夜の東京駅に幻の軍用列車が到着し、戦争で死んだはずの兵士たちが英霊となって降り立ったところから始まる物語。夜明けまでの数時間に英霊たちは、変わってしまった現代の日本に何を見たのかを描く。倉本氏がTBSのドラマの脚本を手掛けるのは実に31年ぶり。また、連続ドラマの主役経験者10人がそろう豪華な顔触れも話題になっている。
倉本氏は、本作について「棟田博さんが書いた短編小説(『サイパンから来た列車』)が基でありまして、昭和30年('55年)に最初にNHKのラジオドラマで放送されたのを初めて聞き、非常に感銘を受け、50年以上ずっと温めてきたものです。65年ぶりに英霊が還ってきたらどうなるんだろう…」とコメント。主演のたけしは「倉本先生と鴨下さんという2大巨頭のドラマに出させてもらって、非常にプレッシャーが掛かっているんです。怒られないように頑張っていきたい」と意気込みを語った。
小栗は「平和だといわれているこの平和も、本当に正しい平和なのだろうかと日ごろから感じることもあるんですが、そのことについても(台本の中に)書かれているので、もう少し危機感を持って生きていかなければならないんじゃないかというのを伝えられたら…」と思いを語り、また、英霊になれなかった志村伍長を演じるARATAは、「当時の若者と現代の若者、人としてエネルギーがどちらの方が強いのかと考えたときに、当時の若者たちの方が間違いなく力強い人間力にあふれていたのではないかと思います。そのあふれ出すような人間力を意識してお芝居しています」と感慨深い表情を浮かべた。
小栗演じる木谷少尉の当時の恋人・洋子役で登場する堀北は、「戦争があった時代のことは、分からないことだらけですが、監督からもたくさんアドバイスを頂き、わたしなりに自分の中に取り入れて演じたいと思います」と真摯(しんし)に向き合う姿勢を見せた。一方、現在の洋子を演じる八千草は「わたしは、終戦の時は14歳でした。この本を読んで、いろんなことを思い出しました。とても大変な、ハードルの高い芝居だと思っていますが、頑張りたい」と1つ1つの言葉に深い思いを込めるように語った。
そして、長渕は「難しい話は分かりませんが、強烈な愛だと思います。僕たちは、愛に希薄だという哀れな時代に生まれているんじゃないか…我慢できないくらい、人に愛されたいと思います。我慢できないくらいに人を愛したいと思います。そんな時に、(倉本)先生がつえを突きながらでも叫びたいとことがあるという(思いを込めた)台本を1枚ずつめくりながら、愛をテーマにした歌を書き上げました」と熱くコメント。
なお、倉本氏率いる演劇集団“富良野GROUP”による「富良野GROUP東京公演 2010夏『歸國』が、8月12日(木)〜15日(日)に赤坂ACTシアターにて上演される。長渕が作った楽曲はこの舞台に使用されている。
8月14日(土)夜9:00−11:24 TBS系で放送
富良野GROUP東京公演 2010夏「歸國(きこく)」
8月12日(木)〜8月15日(日) 赤坂ACTシアター