山崎賢人、作品通じ「日本の小児外科の現状が少しでも良くなったら」
――「グッド・ドクター」(フジテレビ系)で山崎賢人が演じるのは、自閉症スペクトラム障害でコミュニケーション能力に難を抱える一方で、驚異的な記憶力を持つサヴァン症候群でもある小児外科の後期臨床研修医・新堂湊。彼の真っすぐで純粋な姿は、患者である子供たちだけではなく、その親、さらには同僚の医師の心も癒やしていく。
「今回、初めての医師役なので、撮影前にある病院の小児外科を訪問しました。子供たちに“病院は嫌なところじゃない”と思ってもらう工夫をたくさんしていて。子供が好きな絵を病棟に飾ったり、手術中も彼らが好きな音楽を流したり。子供やその親とコミュニケーションもよく取っていましたね。そんな先生たちの姿に深い優しさを感じて」
――山崎が湊としてセリフを話すとき、そこで感じた優しさも常に意識しているという。
「患者を演じている子供たちも僕をそうさせています。今回は、子供たちが一番大変だと思うんです。第1話の最初でケガをした子供に湊が応急処置をするシーンでは、特殊メークの傷口を付けたままじっとしていたり、手術中も忍耐力が必要じゃないですか。そんな子供たちと一緒にこの作品は作っていきたいので、撮影の合間は気を使わずに(笑)、話をするようにしています」
――さらに、湊を演じる上では、リアルとエンターテインメントのバランスを考えている。
「僕は、湊を“リアルだよね”ではなく、“いいな、この人”“かわいいな”と思ってほしいんです。『グッド・ドクター』という作品を通して、少ないといわれる日本の小児外科の現状が少しでも良くなってほしいという思いを伝えていくのはもちろんですけど、やっぱりエンターテインメント作品ですから見た人に元気を与えたいし、感動してほしい。そのために、今回は撮影前からスタッフの方とかなり話し合いました。湊の話し方、歩き方、手のしぐさ、クセ。湊だからこそほほ笑ましくなるような動きをこれからも出していきたいです」
――そんな山崎から見えてくるのは、役者としての新たな一面である。
「(プロデューサーの)藤野(良太)さんもそれを出したいと言ってましたね。『水球ヤンキース』('14年)、『好きな人がいること』('16年、共にフジテレビ系)、これで3作品目ですけど、毎回、違った役柄でお話を頂けるのはありがたいです。そんな人たちの期待にもしっかり応えていくために、僕もことしで24歳になるので(笑)、『グッド・ドクター』の中にあるメッセージを芝居を通して伝えていけたらと思います」
Profile●やまざき・けんと=1994年9月7日生まれ、東京都出身。ドラマ「トドメの接吻」(2018年日本テレビ系)など出演作多数。主演映画「羊と鋼の森」が公開中
グッド・ドクター
夜10:00-10:54 ※9月6日[木]、13日[木]は夜10:00-11:09
フジテレビ系