窪田正孝「ヒモという存在は母性本能をくすぐるマジシャン」<ヒモメン>
――窪田正孝が彼女は大好きだが、働きたくないヒモ男の翔、川口春奈が彼を働かせて結婚したい彼女のゆり子を演じる社会派コメディー「ヒモメン」(テレビ朝日系)。初のヒモ役に挑む窪田は「男は見えを張る生き物ですが、そんな男性たちがふと肩の力を抜ける作品になったら…と思っています。弱いダメな部分を認めてもらってなんぼですし、その弱い部分に人間くささがあると思うので」と言いつつ、大胆な作品でもあると語る。
窪田「刑事モノや医療モノでは仕事をしている中での人間関係が描かれますが、今作はヒモの男が家でぐうたらしている姿を描くドラマ。そんな姿を思い切り演じることができるというのは、役として究極だなと思うので、大きくデーンと演じていきたいと思っています」
――翔はラクに生きるためにゆり子に寄生するぐうたら者だが、彼女が大好きであることは揺るぎない。
窪田「加えて、思いやりが人一倍ある人で、ゆり子が気付かない部分をケアしていたりする。立場的には看護師であるゆり子の方が上だけど、その土台をつくっているのは翔で、女性はそこに引き付けられるのではないかと思います。そんな“オトコ”の部分に翔の説得力があって、ゆり子もそこが好きなんだと思うんです。本能の部分が。人って意外と本能を隠しちゃうから、その部分はうそをつかずに出していきたいと思ってます」
――とは言いつつ、ゆり子目線で翔を見ると…。
窪田「普通に一緒にいるときっと疲れるでしょうから、ゆり子は翔を早く捨てればいいのに(笑)。でも、ダメな部分に引かれちゃうのが母性本能なんでしょうね。ヒモという存在は母性本能をくすぐるマジシャンなんだと思います」
――本作ではそんな2人の関係が実にコミカルに描かれていく。
窪田「テンポのいいコントっぽさもありますが、決して笑わせようとはしたくないなと思っているんです。当事者たちの目線で見ると悲劇だけど、俯瞰(ふかん)すると喜劇になることってあるじゃないですか? そういう感じに演じられたらいいなと思っています」
――また、ヒモではあるが彼氏役として、彼女役の川口の土台にもなりたいと窪田。
窪田「春奈ちゃん演じるゆり子にはパワフルな一面もあって、いろんな顔があります。だから、僕は春奈ちゃんがさまざまな表情を出せる環境をつくっていけたら。撮影が終わった最後に、春奈ちゃんにこの現場は最高だったと言ってもらえたらいいなと思います」
Profile●くぼた・まさたか=1988年8月6日生まれ、神奈川県出身。B型。「僕たちがやりました」(2017年フジテレビ系)、映画「東京喰種トーキョーグール」(2017年)など主演作多数
ヒモメン
夜11:15-0:05
テレビ朝日系