新しい扉を開けるような気がしています
――和子さんの人物像をどのように捉えて演じられてますか?
とても楽しみながら演じさせていただいています。
これまでコメディータッチの役というのはあまりやったことがなくて、でも北川(悦吏子)さんが当て書きをしてくださったので、和子さんというキャラクターがどんなお母さんになるのかとても楽しみでした。
初登場シーンは、出産間近なのに医院の待合室で和子さんがのんびりとミステリー小説を読んでいるところから始まりますが、看護師さんにその本がどれだけ怖いかをとても楽しそうに説明している下りを読んだだけで、彼女がユニークな女性だというのが分かりました。
他の登場人物も そうですけど、北川(悦吏子)さんが短い尺の中でそれぞれのキャラクターを生き生きと描かれていると思いました。
和子さんという人は、ピアノを弾いたりお菓子を作ったり普段はおっとりとして上品な人なんですけど、物まねをするのが好きだったりおちゃめな人でもあるのかなと思います。
金八先生の物まねはかなりハードルが高くて最初に台本を読んだ時から一番悩みのタネでしたが、そんな部分も含めて和子さんのキャラクターでしたので、クランクイン前から練習してました(笑)。
――劇中で披露している物まねは原口あきまささんから教わったとお伺いしたのですが、原口さんの印象は?
原口さんに物まねを見せてもらえるだけでもうれしいんですけど、それに加えてご本人から教えてもらえるということでさらに感激でした。
普段はやってらっしゃらないような「ゴア」や「金八先生」の物まねもその場で資料を見てすぐに特徴をつかんで教えてくださって、さすがだと思いました。
「原田さん、物まねは恥ずかしいと思わないこと、それだけですから!」って言われたので、それを胸に、原口さんがやった物まねの録画を何回も見て練習しました。
――北川さんは当て書きで書かれてますが読んだときの印象は?
北川さんの脚本で演じるのは今回で3作目ですが、当て書きされる場合、できれば出演者が一緒にいる時の2人の佇まいや空気感を見たいということで、2作目となった「運命に、似た恋」(2016年、NHK総合)では、撮影前に北川さんと斎藤工さんと三人でお食事をしました。
今回は谷原さんと夫婦役でしたので、クランクインする前に一度食事会にお誘いいただきました。
他にも、ラジオで対談させていただいたり、私のライブを見に来てくださったり、そんな時の私の事も見てらっしゃったのかなと思いました。
私と和子さんってやっぱり違うキャラクターでもあるので、多分この人にこういうキャラを演じさせてみたい、そんな思いがあるのかなと思いました。
だから私にとってはまた新しい扉を開けるような気がしています。
――歳月の変化をどのように演じ分けていらっしゃいますか?
ささいなことですけど、最初の方は20代ということで声のトーンを高くして話そうと意識しました。
後半は、和子さんの場合、病気もあるのでそれに伴った動き方を意識しています。若い時みたいにあまり動けないだけじゃなく、病気の関係で早く動けなかったり、そういったことが後半は色濃く出てきていると思います。