ずっと変わらず笑顔でやりきっているのがやはり素晴らしい
――和子さんから見た鈴愛の印象はいかがでしょうか?
とても生命力にあふれている女の子だなと思います。どんな場面になってもちゃんと起き上がれると言うか、とにかくよく泣くんだけども、ものすごい勢いで起き上がってくるパワーをすごく秘めている女の子だなと。誰よりもエネルギッシュです。
――岐阜に戻ってきた鈴愛を見て、成長を感じることはありますか?
鈴愛ちゃんがちょっと大人の化粧をしていて、「大人の化粧になった!」ってみんなで話していたんですけど、それもまたチャーミングで鈴愛ちゃんらしさは変わらないんですけどふとした時に大人の女性の雰囲気が出ていましたね。
――永野さん自身の成長を感じることはありますか?
最初から鈴愛ちゃんそのものでしたし、 この短い時間の中で何十年も鈴愛ちゃんと過ごすので、鈴愛ちゃんとともに成長していってるんだろうなというのを感じます。
お芝居においてはもう最初から完璧だったと思いますし、あれだけのせりふ量やスケジュールを見ると朝ドラのヒロインって本当に大変だとしみじみ思いました。でもずっと変わらず笑顔でやりきっているのがやはり素晴らしいなと思います。
――息子・律を演じる佐藤さんの印象は?
律君はお母さんである和子さんがふわふわとした夢見がちな人なので、逆に落ち着いていて穏やかな性格になっていて、年を重ねていく中でお母さんのことや鈴愛ちゃんのことも含めしっかりと見詰めることができる人になっているなと思います。
律君も佐藤健さんに当て書きされているということで、健さん自身も多分年齢よりも少し精神面が成熟してる人なのかなというのは、ご一緒していて感じています。
目がとても印象的ですね。相手があまり喋らなくても相手の人の心を静かに見詰めているようなそんなまなざしを、お芝居してる時もしているので、律君だなと。そういうところも健さん自身の魅力だなと思います。
――佐藤さんとの印象的なエピソードは?
NHKのスタジオの出入口にそれぞれのマイクをオンオフするボタンがあるん
ですけど、スタジオを出る時、必ず健くんが待っていてくれて一緒にオフにしてくださるんですよね。そういう何げない気遣いができる人ですね。
ひとつセットを建てるとそのシーンを何話分もまとめで撮るので本当に息つく間もなくて、実は健君とのシーンってそんなに多くもなく、健君だけでなくもっとみんなと話したかったなと思います。
あと、律と和子さんが話す親子の大事なシーンですね。セットの関係で別撮りになっていて、その日は私の部分だけを撮影したのですが、翌朝の撮影もあるのに、健さんが深夜まで残って一緒に付き合ってくださいました。面と向かって話すシーンではなかったので、健さんの声だけしか聞こえないのですが、その声のお芝居が素晴らしくてそれだけで泣けてきました。
彼のおかげでとても良いシーンになりました。
――和子さんたちが暮らす、梟町の魅力は何だと思いますか?
自分の子供時代、田舎って近所のおじさんおばさんとかが近所の子供のことをよく見てくれていて、地域で子供を育てていこうという愛情がすごくあふれていたなと、今回梟町の方たちを見ていて思いました。
助け合って子供の成長をみんながうれしく思っているのが印象的で、懐かしくもありとてもすてきだなと思います。
――懐かしさなどは感じますか?
家ごとに電話の服みたいなものを着せていたりとか、ラジカセとかすごく懐かしいですね。
あと、小さい頃の鈴愛ちゃんが家出をした時に草太くんが「もう夜だから…」と言うシーンがすごいかわいくて何回も見ているんですけど、「口裂け女が出てくる」というせりふを聞いて、「あ、口裂け女っていたな。絶対いないのに怯えてたな」と思って、それも懐かしかったです。
――今後の見どころを教えてください。
晴さんとの友情、夫婦の愛情、そしてやはり母としての律への思いというものがすごく描かれていると思います。
晴さんとは、互いにキャラクターも性格も全然違うんですけど、信頼し合える母同士として同じ子供を持つ女として、どちらかが弱った時にどちらかが支えるというのをずっとしているんですよね。
こういうお友達がいたら頑張れるし、晴さんとは子供を介してすごく深い絆が結ばれているんだなと思います。
8月13日(月)放送の第115回あらすじ
鈴愛(永野)と宇太郎(滝藤賢一)がつくし食堂2号店の構想で盛り上がる中、晴(松雪泰子)の怒りが爆発。晴は勢いで家を飛び出してしまうが、行くあてもなく、萩尾家を訪ねる。
和子(原田)が闘病中にもかかわらず、夜に押し掛けたことを晴は謝罪するが、和子はそんな晴を温かく迎え入れる。不安を打ち明ける晴に、和子はあるアドバイスを伝える。