織田裕二の“存在感”光る!壮大な人間ドラマ「SUITS/スーツ」<プロデューサーに聞く(1)>
織田キャスティング、決め手は「存在感」
原作ファンである後藤氏は、物語の主軸となる弁護士バディのハーヴィー&マイクのキャスティングを「単体で考えていなかった」と語る。
「この二人は、『日本だったら誰と誰が組んだらベストなのか…』と、ずっと考え続けてきました。織田さんにハーヴィーをお願いした一番の決め手は、一言で言うと“存在感”です。
ハーヴィー・スペクターという役は、有無を言わせない存在感がないと成立しません。ベテランと呼ばれる俳優をイメージするなかで、織田さんは見た目や醸し出すものが一番近いと感じました」
大ヒットシリーズという壮大な裏設定
“弁護士ドラマ”と聞くと、まず思い浮かぶのは法廷シーン。しかし、このドラマでは法廷での舌戦があまり登場しないという特徴がある。
「1話完結の弁護士ものではないんです。各話ごとにネタはありますが、主軸となるキャラクターたちの心情が絡まって物語は展開されます。これは壮大な人間ドラマなんです」
壮大な人間ドラマの裏には、原作付きならではの苦労や楽しさもあるそう。
「現在、アメリカではシーズン8を放送しています。先の展開が分かっているなかで、鈴木保奈美さんの役が卒業するシーズン6までを踏まえて、その展開を逆算してシーズン1を日本版として作っています。そんな壮大な裏設定のもと作るという、日本の連続ドラマではなかなかできない体験がすごく楽しいですね」
二人の出会いは「衝撃を受けたシーン」
後藤氏は、1話のみどころを「とにかく甲斐と大貴の出会い」だと言う。
「出会いのシーンは、私が原作を見て衝撃を受けたシーンのひとつです。なるべく原作と同じようにしたいと思いました。アングルなどの演出を寄せるというよりも、一連の流れや空間を意識しています。原作を知っている方には、そのあたりを意識して見ていただきたいですね」
甲斐と大貴の“バディ感”もまた、このドラマの面白さを左右する大きなポイントの一つだ。
「第1話はまだまだですが、甲斐は大貴のことを基本的には認めていて、決して表には出さなくてもその才能にほれ込んでいます。大貴は誰も叶わない記憶力を持ちながら、今までの環境ではそれをうまく使いこなせてきませんでした。甲斐は、それをうまく使いつつ、彼自身を成長させていきます」