独断と偏見のレビュー
たぶん、われわれ以上に「おあずけ」された感があるのは、御年65歳にして超ピュアな弁護士・京極先生(高橋)だろう。
いよいよ法廷デビューという情報が出てこちらも1週間。作中で京極自身も法廷に立つことを楽しみにしているが、高橋も「ワクワクしましたね。やったことがないことをやるという行為は、いくつになってもワクワクするんでしょうね!」と撮影前の心境を明かしていただけに、本人も「1週間おあずけか~」と苦笑いしていたに違いない。
そんな京極センセ、同情しようと思ったけど、映像を見て軽く嫉妬。法廷デビューに当たって教え子のJDに囲まれて記念撮影だと…? 法廷で格好いいことを言った後は「キャーキャー」言われて…ズルすぎやしませんかね。
とはいえ、第3話まで見た限りではただの空回り気味な存在感のみの“代表”という印象だったが、実際に出た法廷では格好いいところも。このギャップは確かに人気が出そうだ。
以前より「一度言ってみたかった」と漏らしていた「異議あり!」もだし、まさかの“てんどん”も半端ないって!
そしてメインゲスト・島崎は、今回のキャラを演じるに当たってキャバクラと銀座のクラブを訪れ、所作などを勉強したそう。
なるほど、確かに立ち居振る舞いや、ふとした時に見せる表情がいつもの島崎とは違ったオーラを感じた。この表情の変化にはドキッとさせられた。
ネタバレが怖いので詳細は割愛するが、メークや髪形も含めここまでいろいろな島崎の顔が見られるのはなかなかレアなのではなかろうか。本人的に「一番難しかった」という茨城なまりも味わい深い。
個人的な理由で恐縮だが、とても親近感が湧いたし、一瞬何でこんなになまっているんだっけって思ったのは内緒。
ただ、茨城弁にはうるさい人が割と身近にいるので、それに関してこれ以上の言及は避けるが、一筋縄ではいかなかったであろう難しい役を好演していることは何人が見ても明らかなこと。ぱるるの演技に乾杯。
その他では、法廷シーンで菜々緒がクールにジャケットを脱ぐシーンはご褒美過ぎる。
そのままブ●ンデ●アのCMも撮れそうな勢いでスタスタ歩き…傍聴席を見下ろし、クールにビシッと言い放つ。これだけで大枚はたいてでも傍聴席に行きたくなったのは私だけではなかろう。
ただ忘れないでほしい。実際の法廷に菜々緒パイセンはいないのよ。
ちょっぴりいつもと違った顔ものぞかせる向井演じるエリート弁護士・海崎はもちろん、MVPならぬMDP(みんな・大好き・ポチ)も忘れてはなるまい。
いや忘れるやつはいないだろうけど、こちらもおあずけを食らったポチこと青島役の林遣都ファンは、ここぞとばかりに思う存分キュンキュンしてほしい。
と、どうしても個性豊かな、濃いキャラクターばかりに目がいってしまうが、二転三転するスリリングなストーリー展開が大きな魅力だ。
さすがは「ショムニ」シリーズや「ウォーターボーイズ」シリーズ、そして「華麗なる一族」などを手掛けた実力派脚本家・橋本裕志氏のホンである。
それに実は橋本氏がシリーズ構成を担当していたあるアニメにちなんだ馬名をこっそり?忍ばせるあたりも芸が細かい!
そういう細かいところに目を向ければ、何度見ても新鮮な発見がありそうだ。
さて、そろそろもうこのコラムという名のつぶやきを「おあずけ」しても誰も困らないと思うので、しばらく「おあずけ」しよう。
いや、誰も待っていないから「おあずけ」というより、ただの自粛か。
文=人見知りシャイボーイ