オードリーが、コンビ初の単行本「オードリーの小声トーク」を9月24日(金)に発売する。
本書は、'05年から1年間、春日俊彰の6畳1間の自宅「むつみ荘」で毎月行われていたオードリーのトークライブ「小声トーク」の映像を基に、書籍化したもの。オードリー2人に対して客席はたった10人分というアットホーム(?)なトークライブの模様が、臨場感豊かに収められている。また、 特徴的な“8:2分け”ではなく丸刈り姿の春日や、アフロヘアだった時代の若林正恭など、オードリーの貴重な写真も満載の同著が発売されるに当たり、オードリーの2人に話を聞いた。
――まず、この本ができた経緯を教えてください。
春日俊彰(以下春日)「へい」
若林正恭(以下若林)「最初、“本を出しましょうか”なんていう話がまずあって。いわゆるタレント本って言うんでしょうか。『春日の解体新書』みたいな、“春日の服のこれがいくら”とか書かれた、くだらない本を作るっていう計画が持ち上がりつつあって」
春日「何がくだらないことがあろうか!」
若林「そういうことならね、その企画をつぶさなきゃなと思いまして(笑)。せっかく本を出せる機会ですから、僕の家に(小声トークの)VTRが全部あったんでそれを本にしてみようか、ということになりました。『春日の解体新書』じゃなくて本当によかったなっていうのが、率直な気持ちです」
春日「次は出しますけどね」
若林「そしたらまた何らかの企画でつぶしにいかないと」
――5年前の当時のご自身を見返していかがでしたか?
春日「やはり、あとがきにも書きましたけど“春日前夜”だったなっていう感じですね。“お笑いの神”、今でいう春日ですけど、お笑い界のキリストが生まれる前だったなって」
若林「キリスト教の人怒るぞ」
春日「だからこれはバイブルになるでしょうね。バイブルという英語の意味は“小声トーク”に変わるかもしれません。ホテルの部屋の引き出しには聖書の代わりに『―小声トーク』が入っているかも分かりません」
若林「それはただのプロモーションじゃねえか(笑)」
――トークライブを映像で撮っていた理由を教えてください。
若林「そもそも(当時)あまりにもウケず、どっちがボケなのかツッコミなのかもよく分からなくなって。じゃあフリートークで素の若林・春日でしゃべってみて、どっちがボケかツッコミかVTRで見て検証してみようと。それでVTRを後輩と見てたら『春日さんこれツッこんでないですね』って話になって(笑)。(春日のツッコミの回数を)正の字で書き出してみたら、2時間で正しいツッコミが2回しかなかった。間違ったツッコミは28回あって、その間違ったツッコミでけんかしてるところが結構盛り上がってたんで、そこから今の漫才に至るって感じです」
――本を作る上で苦労された点はありますか?
若林「家の中の感じが伝わるように意識しました。(トーク中に)蚊をたたいたり、(同じアパートに住む)柴田さんを呼びに行ったくだりとかも入れようと」
春日「春日の全部の発言が面白いので、全部使うと辞書みたいになっちゃうから、それが難しかったですね。春日の原点をしゃべったりとかしてますから。“春日はどこからやって来たのか”っていう話ですよ」
若林「…(出身の)所沢じゃないんですか?」
春日「そういうことじゃないんだよ! 言葉をそのまま取るんじゃないよ君は」
――若林さんの怖いもの知らずな一面があったり、テレビとは違う印象も受けました。
若林「今回この本で、僕が内に秘めていた“人としてアウトな部分”がちょっとだけ見え隠れしちゃったかなって…僕はその部分を全部落としたいって言ったんですけど(笑)。本当に使えない話も4つぐらいあったみたいで。バレずに一生を終えたかったです」
――現場にいた約10人のお客さんは貴重な体験をしていますね。
春日「歴史の目撃者ですよね。ベルリンの壁を壊した人と一緒。それぐらいの境目に立ち会った人たちですから」
若林「でも当時の人たちを見掛けないんですよね」
春日「そうなんでございます。事務所のライブに来てる気配もないし。イベントやっても来ている様子もないし」
若林「(小声トークの客は)ほとんど固定のメンバーだったんです。名乗り出てほしいですね。で、来なくなった理由を聞きたい(笑)」
――最後に本書の見どころをお願いします。
若林「テレビに出る前の僕らを知ってもらいたいなっていう気持ちがちょっとあるので、当時を想像しながら見てほしいですね。今とちょっとだけ感じが違うと思うので、その辺を楽しんでいただきたいなと思っています」
春日「すべての春日の話がお薦めです! 何百とある春日の面白話の中から厳選しましたよ」
なお、本書の発売を記念して、1日限りで復活する「小声トーク」ライブへの参加権など、購入者対象のプレゼント企画も実施。詳細は公式ホームページ(http://web.1week.cc/)から。
9月24日(金)発売
1500円
講談社