爆笑問題、芸能生活30年を振り返り「漫才は生活の中に入ってる」
太田光「客前で初ネタは余裕がない」
――収録されているある年の漫才では、汗を流しながら動き回る太田さんの独壇場となるシーンがあって、胸を打たれたんですけど…。
田中:笑ってもらったほうがいいんですけどね(笑)。漫才で胸を打ちたくないんで。でも、「M-1グランプリ」もそうですけど、漫才って人を笑わそうとしてるのに、なんでこんなに緊張してんだってくらい必死なんですよ。間違っちゃいけない、タイミングはずしちゃいけない、忘れちゃいけない、噛んじゃいけない。
スポーツだったら、思いっきり練習して、野球だったらボールを投げて打ってっていう、ああいう感じのことを我々もやってるんだけど、人を笑わせないといけないから、なるべく必死さを出さないようにするという。たぶん、ベテランの先輩でも、ネタをやる状況は緊張すると思います。
――キャリア30年は関係ない、と?
田中:特に僕ら、初めてやるネタは直前まで作ってたりするんで、ビクビクしながら舞台に立ってますよ。ネタを飛ばさないか、ウケるかって。きっとね、同じネタをやっていたら「ここはこの程度でウケるだろう」って予想がつくから、緊張しないというのも分かるんですけど、新ネタをおろすってことに関していえば、ベテランであろうが、変わらない気がする。
太田:ドッシリ構えてやりたいと思うけど、なかなか練習不足だね。一個のネタをいろんな劇場でかけて(披露して)、ここを膨らまして、ここを捨てて、揉んで完成度を高めるってもんじゃないからね。客前で初ネタは、余裕がないですよ。その分、練習を増やしてはいるんだけど、ドッシリとやれる状況にはならないから、ある意味、素人ですよ。いつまでたってもね。
――DVD収録用の漫才と「タイタンライブ」の漫才には、違いがありますか?
太田:長いのになると、ちょっと遊びが出てくるよね。「絶対的にここはウケるだろう」っていうのがあると、冒険ができる。訳のわからない、シュールな方に発想を飛ばしてみるとか、そういう実験的なことは、長いネタに入ってきますよね。普段やってる(持ち尺が短い)漫才は、隙をなくすような感じだけど。
12月19日(水)発売
出演=爆笑問題(太田光、田中裕二)
収録時間=DISC1:129分、DISC2:110分
価格=5000円(税別)
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