2018年のドラマが丸わかり! ドラマアカデミー賞振り返り特集
第97回(2018年4月-6月)
■最優秀作品賞:おっさんずラブ
■主演男優賞:田中圭/おっさんずラブ
■主演女優賞:長澤まさみ/コンフィデンスマンJP
「おっさんずラブ」が春の賞レースを制する! 作品賞、主演男優賞、助演男優賞、脚本賞、監督賞、特別賞の6冠を達成した。同作は夜11時台の深夜ドラマ枠で平均視聴率こそ5%以下だったが、Twitterなどで大きな盛り上がりを見せた。特別賞もInstagramアカウント「武蔵の部屋」が受賞。SNSを中心としたドラマのブレークの仕方としても新しい形を作り上げた。
「おっさんずラブ」ではお人よしのダメ男を演じた田中圭が主演男優賞、主人公に思いを寄せる乙女な上司役の吉田鋼太郎が助演男優賞を獲得。「コンフィデンスマンJP」で天才的な詐欺師を演じた長澤まさみが主演女優賞。「あなたには帰る家がある」で不倫相手に執着する主婦を演じた木村多江が助演女優賞を受賞。他にも二宮和也がアウトロー医師を熱演した「ブラックペアン」が主演男優賞ほか3部門で2位になるなど、演技経験豊富な俳優が破壊力のあるキャラクターを演じてその潜在能力を思う存分、発揮。ドラマシーンに話題を振りまいた。
第98回(2018年7月-9月)
■最優秀作品賞:義母と娘のブルース
■主演男優賞:山﨑賢人/グッド・ドクター
■主演女優賞:永野芽郁/連続テレビ小説「半分、青い。」
7月クールは、キャリアウーマンと義理の娘の愛をコミカルかつ感動的に描いた「義母と娘のブルース」がスマッシュヒット。視聴率が初回11.5%から上昇し、最終回では19.2%を記録。本賞でも作品賞と脚本賞を獲得し、主演女優賞、助演女優賞、ドラマソング賞、監督賞で2位に。トータルで高く評価された。また、連続テレビ小説「半分、青い。」(NHK総合ほか)が9月で完結。全156話の平均視聴率が21.1%と人気をキープし、ヒロインの永野芽郁が主演女優賞、その相手役を演じた佐藤健が助演男優賞を獲得した。
山﨑賢人が自閉症スペクトラム障害の医師を演じた、「グッド・ドクター」(フジテレビ系)も好評。山﨑は主演男優賞、小児外科医役の上野樹里が助演女優賞に輝いた。「義母と娘―」と作品賞5位の「この世界の片隅に」(TBS系)をはじめ、「透明なゆりかご」(NHK総合)、「トーキョーエイリアンブラザーズ」(日本テレビほか)など漫画原作が多く、多彩な作風をいかにドラマとして展開するか、アレンジの腕が問われた。
ハンディのある主人公が多かったことも今回の特徴。「半分、青い。」の鈴愛は片耳失聴。「dele」の圭司(山田孝之)は車いすを使い、「この世界の片隅に」のすず(松本穂香)は戦争で片腕をなくす。何かを失った人たちが人生に向き合う姿を描き、感動を呼んだ。