小芝「ギャップをうまく表現できたら」
――撮影は既に終えられたそうですが、現場の雰囲気はいかがでしたか?
共演者の方たちは、おしゃべりをすることが好きな人ばかりなんです。スタッフの皆さんとも、いつも和気あいあいと話をしているので楽しい現場でした。
――今回、演じている仲村叶はどんな女性ですか?
叶は主人公ですが、模範生じゃない。単純に特撮を楽しみたいと思っている女性。その思いをひたすら隠しているんです。でも、周りからはしっかりとした大人の女性として見られていて。
叶が自分の考えや特撮好きだという生き方を正当化したいがために発した言葉が、なぜか他の人たちの心に響いてしまっている。だから、決して良い人というわけではないんです。
その代わり、自分には「特撮」という大切な趣味があるから、他人の趣味は絶対否定しない。
この叶の考えと、ただ特撮を楽しみたいという思いを大事にしながら演じることを心掛けました。表向きの顔と、心の中で思っていることのギャップをうまく表現できていたらいいなと思っています。
――叶と似ているところは?
私も何かにハマると、そのことだけにガーっと行きがちなので(笑)、そういうところはもしかしたら似ているかもしれません。
――演じる上で難しいと思った点はありますか?
原作の漫画だと、周囲に見せている表向きの叶の表情と、心の声が同時に描かれているんです。でも、これを実際に演じる場合はどうしたらいいんだろうって思いました。心の声をどこまで表情に出していいのか。
そのさじ加減が難しいです。特撮ヒーローが街中に現れるシーンがあるんですけど、それは叶にしか見えていないという設定。でも、実際は本当にそこにヒーローがいるんです。
だから、私以外の俳優さんたちは、見えているけど見えていない芝居をしないといけない。
私は表向きの表情や心の声に対応するのにいっぱいいっぱいなのですが、共演者の方たちはその間をアドリブで埋めていかないといけないから大変。私は、やることが多くて良かったなって思っています(笑)。