「とくかく台本が面白い」(鈴木)
――このドラマの話が来た時に、楽しみに感じたところを教えてください。
鈴木:とにかく台本が面白かったですね。テンポがあって少女マンガを読んでいるような感覚でした(笑)。あと、掛け合いの分量がすごいので「これをやるのは大変だろうな」と。きっちりせりふを入れてその場で息を合わせていかないと「なかなかできるものではないな」と思いましたね。
稲森:久々のコメディーでしたし、共演者の方々も興味深く、ご一緒してみたかった役者さんばかりでした。そして、宮本(理江子)監督とも「ビーチボーイズ」(1997年、フジテレビ系)以来だったので、すごくうれしいことばかりでした。みんなで良い作品にしていこうと話しておりました。
――不倫を題材にしたドラマとしての魅力はどう感じていますか?
稲森:まずタイトルを聞いた時に「何を愛と間違えているんだろう」と思いました。台本を読んでいくと、相手に対して「どうしてこんなことしちゃったんだろう」とか「どうしてこんな思いさせちゃったんだろう」と考えましたし、視聴者の方には「あの時もう少し素直になれば良かった」と思うような“きっかけ”になれば良いなと思っています。
鈴木:夫婦って、赤の他人同士が一緒に生活をするものなので、相手が不快に感じることと自分が良しと思うことが“イコールにならない”というのが大前提にあって、それをプラスに捉えないと溝ができますよね。
このドラマの入り口は“不倫”ですけど、最終的には“不倫ドラマ”という印象がない。それは導入であって、全く違う生き方をした者同士が、これだけ「幸せを共有できるんだ」と改めて気付かされるというか…「夫婦って良いものだな」ということをテーマに作られたドラマなんじゃないかなって思いましたね。