アニメ&舞台「どろろ」で主演・鈴木拡樹「ジャッキー・チェンを相棒にしたい!」
日本漫画界の巨匠・手塚治虫(※「塚」は正しくは旧字)が1967年から連載した、戦国時代が舞台の怪奇漫画「どろろ」。生まれる際に体の大部分を"鬼神"に奪われた少年・百鬼丸が、自分の体を取り戻す旅の中で、幼い盗賊・どろろと出会い、成長していく姿を描く。1969年にTVアニメ化、2007年に妻夫木聡、柴咲コウ主演で実写映画化されるなど、長きにわたり愛され続けてきた名作が現代的なアレンジを加えて、2019年1月より再びTVアニメとして放送される。
今回、百鬼丸の声を担当するのは、「刀剣乱舞」など数々の2.5次元舞台で主演を務めている人気俳優・鈴木拡樹。本作でTVアニメの声優に初挑戦するだけでなく、3月より上演される舞台版でも百鬼丸役を演じる彼に、作品にかける意気込みなどを聞いた。
「どろろ」という作品について抱いていたイメージをお聞かせください。
「僕が『どろろ』に初めて触れたのが2007年に公開された映画だったんです。そこから今回、TVアニメと舞台版の両方で百鬼丸を演じさせていただくことになり、あらためて原作を読み直しましたが、ダークテイストが盛り込まれた『どろろ』は、手塚先生の意欲作だったのかなと感じました。僕が幼い頃、再放送で見ていたアニメ『ジャングル大帝』など、明るいテイストの作品と比べ、同じ方が描いているのかと思うくらいでしたね」
今回、TVアニメと舞台版で百鬼丸を鈴木さんが演じられていることでも話題となっていますが、このプロジェクトやキャスティングをお知りになった際の感想をお聞かせください。
「こういう機会は珍しく、驚きとともに、ありがたいなと感じています。アニメで百鬼丸を演じ、次にアニメの収録現場で感じた作品の世界観を、どんな風に舞台版でも生かしていけるのか考えている最中です。アニメ化されている2.5次元の舞台に出演する際に、自分が演じる役をアニメではどんな風に表現されているのかをチェックすることがあるんですけど、今回は自分で演じながら考えていくスタンスということで、本当に新しい挑戦をさせていただいていると感じています。アニメでの演技がどう生きてくるのかは、舞台の稽古に入ってみないと分からないですが、最大限に生かせたらいいなと思いますね」
百鬼丸と同じように過酷な旅をするとしたら、どんな相棒を連れていきたいですか?
「戦国の世はつらいですから。ジャッキー・チェンさんですね!最強のバディだと思います(笑)。彼と一緒だったら何でも乗り越えられるような気がしますし、確実に乱世を生き残ることができると思います」
最後に、アニメと舞台を楽しみにされているファンへメッセージをお願いします。
「今回、近い期間でTVアニメと舞台版で同じ役を演じさせていただくので、双方の表現の違いを楽しんでいただきたいと思います。また、アニメは、かつて原作を読まれていた40~50代の皆さんにも、楽しんでいただける作品なので、お子さんや若い世代の方々と一緒に観ていただきたいですね。原作は昭和40年代に連載をスタートした作品ですが、こうして平成最後の年に新たにアニメ化されることは、本当に感慨深いものがありますし、今だからこそ再映像化、そして舞台化する意味がある作品だと思います。『どろろ』は年号が変わっても受け継がれていく、素晴らしい作品です。原作ファンも、原作をご存じない方もぜひ注目してください」
文=中村実香 撮影=中川容邦