“タバスコめし”考案の長与千種「ココイチは8辛まで大丈夫」ブル中野が苦手なものは…?
女子プロレス団体・Marvelous代表でプロレスラーの長与千種選手と、元ヒール(悪役)レスラーのブル中野が、1月27日に東京・書泉グランデで開催された「レスラーめし」(大坪ケムタ=著/ワニブックス)の発売記念トーク&撮影会に出席した。
同著は、グルメ情報サイト「メシ通」内の連載「レスラーめし」に、入りきらなかったエピソードを追加・加筆修正して書籍化した“胃袋破裂寸前ドキュメント”。長与選手、ブルを含む13人のレジェンドレスラーが語っている。
二人は、2005年に解散した国内最古の女子プロレス団体・全日本女子プロレス興業(以下、全女)の先輩(長与)と後輩(中野)にあたる。
同期のライオネス飛鳥さんとクラッシュ・ギャルズを結成して、1985年に空前の女子プロブームを巻き起こした長与選手でさえ、1980年のデビューから3年近くは食うに困った。当時、会社から白米は支給されていたため、“タバスコめし”を考案。ブルは“紅しょうがごはん”で空腹をしのいだことが、同著の中で語られている。
ブルは新人時代に紅しょうがを食べ過ぎたため、今では吉野家の牛丼でも紅しょうがに拒否反応。対する長与選手は辛さに強いため、「ココイチ(カレーハウスCoCo壱番屋)でも8辛まで大丈夫」という強靭さだ(※最大は10辛)。
そんな長与選手はクラッシュ時代、最高で年間310試合に出場した上、アイドル活動でも引っ張りダコ。ファンからのプレゼントは連日抱えきれないほどで、時には社用バスのごみ箱へ“移動”することもあった。
そこをあさっていたのが、かつて長与選手の付き人を務めていたブル。“ゴミめし”だった上、選手同士のいじめもあったため、「(本著で)活字にするとヒドイ! 文句が来たりもしたけど、私は本当はいい人(笑)。愛情があっていじめを受けてたし、ごみを食べながらも(強い)ブル中野になっていった」と、“最狂の女子プロ団体”で経験した下積み時代に胸を張る。
そのブルは、引退した長与選手が全女創立25周年メモリアルイベント(1993年4月/大阪府立体育会館=現・エディオンアリーナ大阪)でスペシャル復帰を果たした際、シングルマッチで激突している。この名勝負をYouTubeで見て、女子プロ界の門をたたいたのが、“Marvelousのリアルエース”彩羽匠選手。この日、長与選手の付き人として来場しており、サプライズで登壇すると、客席から歓喜の声が上がった。
現在、ブルは都内でガールズバー「中野のぶるちゃん」を経営(3月2日で閉店予定)。長与選手はプロレス事業のほか、ペット関連事業、飲食店経営などで女性起業家としての剛腕を鳴らす。女子プロレス界のカリスマも「今は後輩が作ってくれるご飯を食べるのが一番幸せ。3時間掛けて作ってくれる」と、10代から20代の新旗手が作る“レスラーめし”にメロメロのようだ。
取材・文=伊藤雅奈子
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