金融王子は実はダメ男!? 長谷川博己がドラマ「セカンドバージン」を語る
NHK総合で放送中のドラマ「セカンドバージン」で、17歳年上のキャリアウーマン・中村るい(鈴木京香)と大人の恋愛を展開する若き企業家・鈴木行を演じる長谷川博己。2人の魅力的な女性の間で揺れる男性を演じる長谷川に話を聞いた。
――元金融庁勤務の社会の流れを変えたいと思っている行ですが、役作りは何かされましたか?
金融関係について詳しく描いている漫画を読んだり、関連した本を読んだりしました。ほかに、役のモデルになる人物を探したのですがいなくて、想像で演じてる部分が多いです。監督に、役を作るというより自分に近づけてくれと指示されたので、作り過ぎないで演じたほうがいいかなと思いました。それと、金融庁に務めていた方にもお会いすることができました。聞きたいと思っていたことがあって、『今、若い官僚で日本のために何かしようと思ってる人はいるか?』と質問したところ、『中にはいて、意見を提案するよりは仕事で意思表示してくる』ということを伺いました。
――役どころが私生活に影響する部分はありますか?
結構影響されやすいです。役になりきって生活しちゃいますね。新聞を読んでも金融の面を見たりします。株のチャートも見たりしますね。ドラマや舞台を演じ終わった後に役に影響されいることを一番感じますね。この間までこっちの(役どころの)視点で物事を判断していたのに、今はこっちの(役どころの)視点だなって。
――共演の鈴木京香さん、深田恭子さんについてお聞かせください。
鈴木(京香)さんは、美しさも存在感も兼ね備えていて、最初は圧倒されました。鈴木さんが演じる、るいに愛されるという役は大変だな、と気が引き締まる思いです。ラブシーンもあるんですが、スタッフ2、30人の前で演じなきゃいけないんですけど、鈴木さんは堂々と演じてます。僕は…動揺しちゃってますね。まだまだ経験が浅いものですから。深田(恭子)さんは唯一無二な存在感で、現場では意表を突く発言をよくしています(笑)。二人のエネルギーがすごすぎて、自分が陽炎のようになったような気持ちになります。
――シンガポールでのロケでしたが、撮影はどんなところで行ったのですか?
「ラッフルズホテル」というシンガポールの最高級ホテルで撮影をしました。シンガポールは街自体が金融の街という感じで、そこで運命の人と再会するというシーンの撮影でした。場所も日本と近くて、清潔感があって、気候もいいし、けど異国の感じがある。そこで出会っちゃったら運命感じますよね。不倫するにはいい場所だなって思いました(笑)。そのホテルでは、20年ぶりに撮影許可がとれたらしく、宿泊もしました。夢のような時間でしたね。仕事が詰まり過ぎて混乱したのも含めて、シンガポールでのロケは夢のような時間でした。
――長谷川さんはこれまでに運命の出会いはありましたか?
ドラマでも舞台でも、演じる役をもらえると運命を感じます。行という役がきたのも何か縁があるんだろうなって思います。芝居に出たいと思ったり、念じたりすると意外に出演できたりします。演出家・蜷川幸雄さんの舞台にも出演しているのですが、蜷川さんと出会ったのも偶然だったんです。そこから何本も舞台の出演が続くとは思ってなかったですね。
――脚本家・大石静さんから何かアドバイスはありましたか?
大プッシュしていただいているようで、本当にありがたいです。大石さんが脚本を手掛けたドラマ、「四つの嘘」('08年、テレビ朝日系)で生まれて初めてドラマに出演したのですが、ストーカーの気持ち悪い役だったんです。それがよかったみたいで(笑)。今作の「セカンドバージン」のプロデューサーの方から聞いたのですが『大石さんはダメな男が好き』と話していたそうで、どういう意味なんだろう…(笑)。
和やかな現場では、キャスト&スタッフ共に仲良し。”王子”を含むドラマの恋愛模様に期待大だ。
毎週火曜 夜10:00-10:50 NHK総合で放送