伊藤アルフ、ミュージカル「タイム・フライズ」でチェ・ゲバラに心酔する学生を演じる
俳優、モデル、歌手、さらには大学講師まで、多角的に活動する伊藤アルフ。2019年は2月のミュージカル座「タイム・フライズ」に始まり、4月に銀座博品館劇場にてブロードウェイミュージカル「big the musical」、ゴールデンウイークには「銀河鉄道の夜」と舞台出演が続く。稽古に多忙な中、インタビューに応じてくれた。
――まずは、間もなく公演の「タイム・フライズ」(2月16日[土]~19日[火])の話を聞かせてください。どういった内容の作品ですか?
伊藤:1960年代終わりの学生運動が盛んだった時代に、現代の若者二人がタイムスリップして始まる話で、タイムスリップした先で出会った闘う学生たちの中に父母がいて、どんどん巻き込まれてしまうんですけど、メインのテーマは家族愛や学生間の友情を描くものです。
――伊藤さんの役柄を教えてください。
伊藤:僕は、同じ運動家の一人、中丸修を演じます。ちょっと変わっている男で、チェ・ゲバラをとても崇拝していて、絶対視している。崇め奉っているまでではないですけど、スタイルというかポーズを真似ていて。セリフにも「チェ・ゲバラは、こう言っている」といったものが、しばしば登場するんです。周りのみんなとは、どこかずれている。
――リーダーというわけではないのですか?
伊藤:僕が思うには、リーダーになりたいと思っているけど、なれない(笑)。変わったヤツなんだけど、みんなは受け入れてくれてる感じですね。
――周囲との衝突があるわけでもなく?
伊藤:全くないですね。仲良くはやってるんですけど、ただ変わってるんです。みんなが政治的な話をしている中で、中丸だけはチェ・ゲバラのことを語っている。チェのフレーズを会話の中に織り交ぜるんです。
――チェ・ゲバラのことを調べたりはされましたか?
伊藤:スタッフから何か指示があったとかではないんですけど、チェ・ゲバラを描いた映画を見たり、セリフに出てくるカストロについて調べたり、そういう作業はしましたね。
――その中で印象に残った出来事はありますか?
伊藤:セリフの中でそのことが書かれているのですが、カストロをリーダーとする82名がメキシコからキューバに12人乗りの船で渡ったという話ですね。その行為自体ありえないと思うんですが、反面それだけ必死だったんだなとも思う。キューバに渡ってすぐメンバーの大勢が政府軍に捕まるんですけど、その可能性も分かっていながら、行動を起こすしかなかった。その感覚は理解し難いことだと思います。
――学生運動についてもほとんど知らないですよね。
伊藤:親の世代の事件だと思いますが、親から話を聞かされたこともないです。作品は、たまたま学生運動を題材にしているだけで、作品を通して政治的な何かを訴えようとしているわけではない。学生運動が題材だから取っ付きづらいとは思うんですけど、コメディータッチの作品です。
もちろんしっかりと闘争を描くシーンもあるんですけど、楽曲はとてもキャッチーなものが多くて、見やすいお芝居だと思います。
ミュージカルってちょっと敬遠されるところはあるじゃないですか。いきなり歌い出すとか。でも曲調がキャッチーで違和感がないように工夫されています。
※1月23日生まれ。東京都出身。俳優、歌手、モデル。NHK連続テレビ小説「ひよっこ」、テレビ朝日「仮面ライダーウィザード」などに出演。舞台は、「何処へ行く」「楽園」「プリズンホテル夏」「法廷の銃声」ほか多数に出演している。モデルとしても活動し、アジアンヘア―ショー(北京)日本代表、Tokyo Fashion Collectionメインモデルを務めた。
◆ミュージカル座「タイム・フライズ」
2月16日(土)~19日(火) 東京・光が丘IMAホール
http://www.musical-za.co.jp/stage/
◆ブロードウェイミュージカル「big the musical」
4月1日(月)・2日(火) 東京・銀座博品館劇場
https://www.sakado-entertainment.com/
◆舞台「銀河鉄道の夜」
4月29日(月)~5月2日(木) 東京・ザムザ阿佐ヶ谷
https://www.galaxyexpress2019.com/