<試写室>「トレース―」人を“信じる”ことは簡単そうで難しい
「『俺もおまえを信じてる』って、なぜすぐに言ってやれなかったのか…」
そんなせりふを聞いてハッとした。果たして自分が疑われたとき、私の言葉を信じてくれる人はいるのだろうか。
日頃の行いが良ければ、不安に思うこともないんだろうけど、普段から息を吐くのと同じくらいの勢いでうそをつくし、出世するためなら苦手な上司に心にもないお世辞を言うし、モテるために「タワーマンションに住んでいるからおいでよ」とか大人の男女交流戦で女子に言っちゃうし、「別に好きじゃないんだけどねー。仕事だから致し方ない」と言いながらお気に入りの某グループのライブを見に行くし…。
はい、ご想像通りそんなやつ誰も信じてくれない。他ならぬ自分が自分を信じていない。
まあそれはさておき、こんな人たちが自分の味方でいてくれたら本当に心強いんだけどな…、とあるドラマの最新回を見て思ってしまった。
各局で放送されているドラマやバラエティー、アニメなどを事前に完成DVDを見て、独断と偏見とジョークに満ちたレビューで番組の魅力を紹介する、WEBサイト・ザテレビジョン流「試写室」。
今回は3月4日(月)に放送される錦戸亮主演の“月9”ドラマ「トレース~科捜研の男~」(夜9:00-9:54、フジテレビ系)第9話を取り上げる。
本作は、陰惨な過去を持つ法医研究員・真野礼二(錦戸)が、「鑑定結果こそ真実だ」という信念のもと、他人とは違う視点で難事件の真実に迫っていく姿を描いた物語。