絶対に「アンじゃない」と言われると思ったけど
――主演決定の知らせはサプライズだったそうですね。
そうなんですよ。お誘いいただいたエステーさんの忘年会で、突然、スクリーンに映し出されて。でも、その瞬間は「やった!」ではなく、「え、どういうこと!?」みたいな感じでした。だって、私が“赤毛のアン”だなんて、絶対に合わないと思ったから。後から嬉しさが込み上げてきましたけど、その時は「え、私で? 本当に良いんですか?」って、まずそれが先にきちゃいましたね。
「ふしぎ遊戯」でも中学生の美朱を演じたし、歳が合わないからやりづらいとか、役に合わないとかを言われたことはなかったんですけど、アンはだいぶ違う気がして。年齢がではなく、アンは、今まで経験してきたどの役よりも心が奇麗で純粋な女の子、というイメージがあったんです。「私にできるかな?」という不安より、見られる皆さんが、「なんで、田中れいななんだよ」って違和感を覚えないかなって。そういう心配ですね。
――アンと言えば、素朴な少女ですからね。作品の時代背景も大きいですし。
そうなんですよね。私、やっぱり顔が派手だと言われるので。でも、顔を素朴にするのは難しいなあって(笑)。田中れいなイコール、派手な髪と顔で、元ヤンキーみたいなイメージを持たれてるじゃないですか。まあそうだし(笑)、モーニング娘。の時からそういう感じできたから仕方がないんですけど、絶対に「アンじゃない」と言われるだろうなって。
でも、こんな素敵なチャンスは二度とないかもしれないし、選んでいただいたからには精一杯やり遂げて、今の私にはない表現の引き出しを増やしたいです。
――アン役は、モーニング娘。OGでは高橋愛さんも演じられています。高橋さんとはアンについて何か話されましたか?
愛ちゃんは、「良かったじゃ~ん!(#^^#)ぱちぱちぱち」こんな感じでした(笑)。「おめでとう~♪」みたいな。「すごく楽しかったよ。良い雰囲気だったよ」って、当時の雰囲気を楽しそうに話してくれましたね。「全国各地に行けるのも楽しいよ」って。愛ちゃんのそういう言葉を聞いて、心配もありますけど、楽しみな気持ちも大きくなりました。
――公演を行う8都市で、楽しみにされている場所はありますか?
まず、各地で公演するということ自体が楽しみで仕方がないです。モーニング娘。を卒業してから全国を巡るということが少なくなったので、すごく久しぶりだなって感じます。その中でも特に嬉しいのは、地元の福岡にも行けることですね。
親戚やおばあちゃんにも見にきてほしいんです。歌のステージだとライブハウスになるから、お年寄りの方を呼ぶのは難しくて。でも、「赤毛のアン」ならゆっくり見てもらえるから。実は、お芝居をしている私をあまり見てもらったことがないんですよね。舞台の公演で福岡に行けるというのはそうそうないことだと思うので、そこは本当に嬉しいです。
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