倉本聰が総原稿5700枚に及ぶ脚本を書き上げ、1年にわたって放送される帯ドラマ劇場「やすらぎの刻~道」(毎週月~金曜昼0:30-0:50ほか、テレビ朝日系ほか)が、4月8日(月)よりスタートする。
本作は、2017年に放送された「やすらぎの郷」のその後を描くとともに、主人公・菊村栄(石坂浩二)が執筆したシナリオ「道」が映像化されていくという壮大な物語。
「道」では、山梨の山間の村を舞台に、昭和初期から戦中、戦後、平成、そして新元号の時代まで、激動を生き抜いた無名の夫婦の生涯を1年かけてつづっていく。
今回、「やすらぎ」パートの主人公であり、国民的ドラマを何本も生み出してきたシナリオライター・栄を演じる石坂にインタビューを実施。本作の見どころや撮影エピソードなどを語ってもらった。
うまく子供に帰っていく
――本作では二つの物語が並行して描かれますが、台本を読んでの感想をお願いします。
倉本さんの新しい手法なのか、二つのドラマが並行して流れていくことによって、より作品が訴えかけるテーマが強くなっていく、あるいは普遍的に広まっていく意味もあるんじゃないかと思いました。
「道」では、第二次世界大戦から戦後の奇跡に近いわずかな時間での復興など、ものすごく速いテンポで歴史が流れていくわけですけど、そこに描かれているのは“人間”だけじゃないんです。
人間というのは、歴史の中を一生懸命泳ぐけど、結局その流れには逆らうことができない。戦争に反対しても駆り出されるし、そういうことを繰り返していくとどうなるのか、というところで「やすらぎの郷」とつながってくる。
そこがこのドラマの一番面白いところだなと思います。うまく老人になった人というのは、うまく子供に帰っていく。子供の頃に持っていた純粋な夢を捨てずに生きている老人には魅力があるよ、というのが今回のテーマだと僕は思いました。