ゲイ×腐女子の青春群像劇を描いた三浦直之『原作の言葉と僕が書ける言葉は分けるように意識しました』
よるドラ「腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。」(毎週土曜夜11:30-0:00、NHK総合)の放送が4月20日からスタートした。
本作は、浅原ナオトの小説「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」(KADOKAWA刊)の実写化。周囲にゲイだと隠して暮らす高校生・安藤純(金子大地)と、そのクラスメートで腐女子の三浦紗枝(藤野涼子)を中心とした青春群像劇だ。
第1話では、紗枝が腐女子だと偶然に知ってしまった純が、紗枝に誘われてBLイベントと水族館のデートへ。そして4月27日(土)放送の第2話で、2人は急接近する。
今回、「ザテレビジョン」では、脚本を担当した三浦直之にインタビューを敢行。
劇団「ロロ」の主宰として、これまで“高校生に捧げる”連作群像劇「いつ高」シリーズなどを手がけ、まぶしい青春を舞台で描いてきた三浦が、本作に込めた思いを聞いた。
僕は「青春」がめちゃめちゃ大好きなんです
――今回の脚本のオファーが来たときにはどのように思いましたか?
すごいうれしかったですね。僕は今、演劇をやっているんですけど、四六時中テレビが流れている家で育ったので、すごいテレビっ子だったんです。それこそ、「ザテレビジョン」とか「TVガイド」(東京ニュース通信社)とか、家に置いてありました(笑)。
母親がSMAPの大ファンだったこともあり、SMAPが出ているテレビドラマのシナリオとかもたくさん家にあって、小学生のころから三谷幸喜さん、野沢尚さん、宮藤官九郎さんとかのシナリオを読んで育ちました。
そういう環境だったから、日芸(日本大学芸術学部)に進学した部分もあるので、こうやってテレビドラマの脚本のお話をいただけて、ありがたいなと思いました。
それに、僕は「青春」がめちゃめちゃ大好きなんです。
「いつ高」シリーズ(全国高等学校演劇コンクールの出場ルールで上演される連作群像劇。三浦が脚本を担当している)をやっていたり、仕事で高校生とクリエーションする機会もあったので、10代を描くことにはすごく興味がありました。
ただ、題材が繊細でもありますし、原作者の浅原さんが書いた世界観を、僕がシナリオで書いたときに壊しちゃうんじゃないかという不安もめちゃくちゃありました。
――NHKのテレビドラマには、どんなイメージがありましたか?
すごい覚えてるのは、(ドラマ愛の詩)「六番目の小夜子」(2000年、NHK教育テレビ)っていう作品。ちょっと怖くて、でもちゃんと青春の物語っていうのが印象的でしたね。小学生のころは「ズッコケ三人組」(1999、同局)が大好きでした。
あとは(連続テレビ小説)「ちゅらさん」(2001年、NHK総合ほか)、「あまちゃん」(2013 年)、「カーネーション」(2011年)などの朝ドラとか。
演劇や映画って、非日常がほしくて能動的に見に行くものだと思うんです。その中で、日常が描かれることもありますけど。
でもテレビドラマは、視聴者にとっての日常という土台があって、その中に物語が入り込んでいくと思っていて、特にNHKのドラマはそういう印象が強いです。ドラマが生活の一部になっているようなイメージですね。
――シナリオを書かれるときに、意識したのはどんな部分でしたか?
例えば、純と三浦(紗枝)さんが2人でやり取りしているときは、小説だと2人の会話を記述するので、読んでるときにはそこに書かれていることしか見えないですよね。でも、実際には周りに他の生徒たちがいる。
僕が小説をシナリオに立ち上げるときにできることは、原作を大事にしつつ、その周りにいる人たちの存在感をどのようにつけていくかっていうことだと思うんです。
その存在感がつくことで、教室の中や学校の雰囲気も、より出てくると思うので、そこは意識していました。
――先ほどお話に出ていた、「高校生とのクリエーション」がこの作品にも活かされている部分はあるんでしょうか。
ありますね。この作品を書いているときに、ちょうど福島のいわき市の高校生たちと作品を作っていたので、「高校生は今何が好きなの?」とか、「放課後何して遊んでるの?」とか聞いてみて、そのときに聞いたものとかがシナリオの中に入り込んだりしてます。
例えば、高校生たちが「放課後には“音ゲー”(音楽を使ったゲーム)をやる」って言ってたので、シナリオの中でも生徒が音ゲーをやるくだりが出てきていますね。
毎週土曜夜11:30-0:00
NHK総合にて放送
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