――いよいよ「シーズン2」が始まりますね。
上川:去年の撮影において、われわれが想定していた以上に物語の骨子がしっかりと固まったという実感があったんです。同様にお客様からのご支持も頂けたという手応えもあったので、それを礎にして今回は撮影に臨んでいます。題名に「2」と付きましたけれど、前回からずっと続いているような感覚です。
夏から冬にかけて起こったのであろう伊集院家の周辺での物語があって、そしてこの春の出来事を、また皆さまにご覧いただけるというような。だからこそ、妙に力んだ姿勢で臨まないよう、1年前にご覧頂いた風景はそのままにお届けしたいと思っています。
佐藤:本当にそうですね。上川さんが仰ったことをそのままパクるわけではありませんけど(笑)、「2」だから特別に何かをするということではなくて。
個人的なことで言うならば、前作の最終話まで演じて何となくできた丸山というキャラクターの続きを、また楽しんでやりたいなと思っています。
――相容れない感じの西園寺と丸山の関係にも変化が?
上川:前作の最終話での共闘やエンドロールの中で見せたほほ笑みなどをもちろん踏まえた上ではありますけど、決して馴れ合うべき2人ではないと思っています。
それをくぐり抜けた2人としてのある種“犬猿の仲”のような関係は生かしていきたいと。でもそれは作品の中にも反映されているので、西園寺と丸山の距離感が変わっていることは確かです。微妙ではありますが、確実な変化を感じていただけるように、そこは意識しながら演じるようにしています。
佐藤:前作の丸山は西園寺に対して「何だコイツ」っていう感じだったと思うんです。でも、西園寺はただ奥さまを守りたいだけ、ちょっと超人的な能力を持っている人物だということを分かった上で接しているので、ブツクサ言いながらもコイツの言うことを聞いておけば事件は解決するだろうと思って相手にしているのかなと。
直接的に描かれてはいませんけど、丸山も非常に熱いものを持った刑事なので。西園寺と丸山の微妙な距離感のようなものは残しておきたいですね。
――丸山から西園寺に歩み寄っている感じ?
佐藤:それはどうか分かりませんけど、煙たがりながらもコイツを少し信用してもいいのかなって感じているのかもしれませんね。
――いつの間にか、メールアドレスを知られていますしね。
佐藤:そうなんです。この間そのシーンを撮りましたけど、西園寺からの返信が早い(笑)。絵文字も入っていたりして。とにかく、奥さまを守りたいという思いが極端に強いので、変わっている人だということは明らかだと思います。
上川:変わっています(笑)。
佐藤:いろんなことが優秀だから変わっているということではなくて、こんなこと言っていいのかどうか分からないですけど、人間的にも欠落しているというか奥さまのことになると周りが見えなくなっちゃうんですよ。
そういう意味では、ほころびだらけの人。完璧なヒーローには感情移入しにくいけど、その不完全なところにかわいらしさや愛着を感じるのかもしれませんね。まぁ、一つ言えるのは、丸山の方が確実に西園寺より大人だということですね(笑)。
上川:はい(笑)。
佐藤:ちょっと見守ってやるかぐらいの気持ちがあるんじゃないかなと思いながら演じています。
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