執事の魅力は、縁の下の力持ち感
――最も苦労したシーンは?
第1話がイリュージョンを題材に巻き起こる事件でして、とても大掛かりです。撮影にもとても時間がかかりました。一同が力を抜くことなく、目指すビジョンに妥協せずに撮影していたので、僕だけではなく、撮影スタッフの皆さんも半分泥のように…。しばらく忘れられない撮影です。
――西園寺はなんでも完璧にこなしますが、上川さん自身が不得意とするものはありますか?
西園寺を演じるに当たり、それを覚えていくことですかね(笑)。大変ですが、何事にも誠実に向き合うようにしています。
――では、得意なことは?
愛犬の散歩でしょうか。おトイレの瞬間を察知できるというスキルは誰にも負けないかと(笑)。歩いている時の所作の変化で「もうすぐだな」と思います。なので、携帯用のトイレ用品を取り出すタイミングは、ずれたことがないです。
――最近、執事を題材にする作品も多いですが、上川さんが演じる中で気付いた執事の魅力を教えてください。
日本人的な考えで「縁の下の力持ち」といいますか、支える側の強さを見たいという思いもあるのではないかと感じます。それがすごいほど、ステージの上が輝いていたりすることが感動につながるのかなと。
われわれ役者も、一人では何もできない存在です。照らしていただいて、音を撮っていただいて、映していただいて、視聴者の方々と向き合えます。ドラマや舞台の製作において、スタッフの方々への敬意は忘れてはいけないと思います。
――最後に、ドラマを楽しみにしている読者の方にメッセージをお願いします。
西園寺が毎回何をするかは見どころで、面白いと思います。そして、吉行和子さん演じる伊集院家の当主・百合子さまのかわいらしさや温もりがあるからこそ、西園寺が活躍できると思っています。伊集院家のみんなが、百合子さまと向き合う姿も前回同様に楽しんでもらいたいです。