<試写室>「ミストレス―」ラブサスペンスから感じる女の友情
「女の友情、ハムより薄い」
某ドラマのせりふで、私が学生のころになんとなくはやった言葉だ。
その頃の私は一貫教育の女子校にいたため、恋愛に疎く、とにかく友情に熱かった。
だからこの言葉に共感はできなかったし、むしろ共感できるような環境にいる女子をうらやましくも感じた。友情は熱ければ熱いほど、こじれた時が怖い。お互いが真剣に向き合っているからこそ、傷つくこともある。
当時の私の思いはこうだ。
遊び相手さえいれば周囲からは“寂しい人”というレッテルは貼られないし、ライトな付き合いができる人って大人な感じがする。
さらに女の友情より優先すべき対象=恋人がいるなんて、ますます格好いい…。
恋愛に疎いとしても、どんな女子でも“恋バナ”は大好物ですから!
そしてふと我に返る。
社会という荒波に揉まれ、世の中の酸いも甘いも知ったつもりになっている今の私は、果たしてどのくらいの分厚さで友情を築いているだろうか。
4月19日(金)からNHK総合で放送されるドラマ「ミストレス~女たちの秘密~」(毎週金曜夜10:00-10:50)は、英国BBCの人気海外ドラマ「Mistresses」を原作とし、秘密を抱える4人の女性たちが、それぞれの“愛”を求めて生きる姿を描いていく作品。
4者4様の恋愛模様も見どころであるが、女性同士の友情も筆者の胸にはかなり響いた。
ザテレビジョン流「試写室」では、マスコミ向け試写会にて一足先に本作を見た記者が、独自の視点から本作の魅力を紹介する。
第1話のあらすじ
医師の香織(長谷川京子)は、不倫関係にあった患者の死について、その息子である貴志(杉野遥亮)から疑いの目を向けられる。
一方で、香織の友人である友美(水野美紀)は7年ぶりの恋の予感に心が沸き立ち、キャリアウーマンの冴子(玄理)は子供を作るべきかで夫・悟史(佐藤隆太)と対立、奔放な恋愛を楽しむ樹里(大政絢)は、ある女性との出会いに心がときめくなど、それぞれが悩みを抱えていた。