平成最後の「NAONのYAON」寺田恵子、令和も「変わらずにずっとロック」
平成、そして令和時代の音楽との向き合い方
ーーお二人にとって「平成」とはどんな時代でしたか。
寺田「平成って災害が多かったんで、その都度音楽は無意味だって思ってしまう瞬間があって。こんなにも力になれないのかって思った」
島谷「食べるもの、住むところ、仲間がいて、その先に音楽という娯楽があるんですよね」
寺田「災害が起きたまさにその時って、誰が歌を歌って欲しいんだろうって。こんなに無意味なのかって叩きつけられた気持ちだった。だけど、立ち直るきっかけとして歌が存在しているとすれば、歌い続けていかなくてはいけないとも思った。そんなことを思い続けた時代でしたね」
島谷「そんな音楽を自分が生きていく仕事として選んで、音楽の立ち位置、音楽がどう好きなのかを教えてくれたのが平成。私が一番音楽を聞いて、楽しんで、知ったのも平成。多分おばあちゃんになっても、平成時代の印象は一番明るくてパワーいっぱいだった時代だったと映ると思います」
ーー来たる令和時代、音楽との向き合い方は変わっていくのでしょうか?
寺田「変わらずにずっとロックをやってるんだと思う。今、実はアルバムのレコーディングの真っ最中。チャレンジをしようと思って、レコーディングは全部英語で。すげー苦戦してます(笑)。先に先に、というか常に進化していたいんですよ。音楽に国境はないけど、言葉の壁はでかいと前から感じていて。これからは乗り越えていかなきゃって自分で自分の首を締めている(笑)。年内には出したいですね」
島谷「私は20周年で1回リセットをかけて、1から、いや0から、またスポンジのように1回絞って新しいものを吸収していけたらいいなって。あとは、今までこんなこと思ったことはなかったんですけど、自分より若い世代の人たちに影響を受けて、自分をアップデートしていけたら。令和生まれの人たちはどんな音楽を聴いて、どんな恋愛をして生きていくのか、取材して歌にしていきたいです」
寺田「私さ、今恋愛とかすごく疎くなってて(笑)。今の子たちがカラオケで歌ったりする恋の歌詞とか理解できない(笑)」
島谷「(笑)。今ってLINEで告白したりするんですよね。昔の曲は歌詞にポケベルとか公衆電話がよく出て来たけど、今はなくなりましたよね。令和になったらいつかLINEも古くなっていくのかな?(笑)」
ーーありがとうございました。最後に平成最後の「NAONのYAON」にかける意気込みを聞かせてください。
寺田「テーマは平成です(笑)。今回、平成最後のイベントでチケットがソールドアウトになって、見てくれる人たちが本当にイベントを楽しんで、今年は誰が出て、どんなことをしてくれるんだろう、と期待してもらえるイベントになったんだなと実感しました。ここまで続けてきて、やっと思いがかなった。だからこそ、期待を裏切らないイベントにしたい。もちろん、令和になっても、これからもずっと」
島谷「島谷ひとみにロックのイメージってないと思うので、NAONのYAONでは島谷のロックな部分をアピールできたら。島谷ひとみってこんな一面もあるんだって思ってもらえるステージになったら嬉しいですね。外見を磨くことや綺麗でいることがいい女の定義ではなく、いい女ってこういうものだよっていうことを知れるステージだと思うんです。私自身も思い切りそのステージを体感して、楽しんで、次の元号に行きたいと思います。イベントが終わったら、私のヘアスタイルも寺田さんにみたいになっているかもしれません(笑)」
寺田「(笑)。ハスキーボイスでディストーションギターで、ツーバスと言うのがロックだと思われがちだけど、ロックってジャンルじゃなくて生き様や魂なんですよ。NAONのYAONって、はたから見るとそう見えない女子プロレスラーや女優さんやお笑い芸人さんたちも参加しているけど、みんなロック魂を持っている人たち。かっこよくて頑張っている女たちの魂を見に来てほしいですね」
平成最後の「NAONのYAON」初出演の島谷ひとみ、寺田恵子は「母なる大地」
公式サイト「SHOW-YA PRODUCE NAONのYAON 2019」
http://naonnoyaon.net