西島秀俊、“いぶき”の艦長を演じ「平和の素晴らしさを実感する作品」
手に汗握るエンターテインメントに
――この映画では“いぶき”をはじめとする自衛隊の艦だけでなく、自衛隊創設以来初めてのことになる“防衛出動”を下すかどうかの選択を迫られる政府、偶然“いぶき”に乗り込んでいたマスメディア、さらには市民の姿も描かれます。ご自身が出演されているパート以外で印象に残ったところはありますか?
僕はCICの中にしかいなかったので、完成している映画を見るまで分かりませんでしたが、護衛艦、イージス艦、潜水艦でカラーの違いがすごく出ていて面白いなと思いました。あと、政治パートも面白かったです。戦争を回避するために自分の意見をぶつけ合い、交渉していくところも見応えがありましたし、市民パートでも僕らが普段過ごしている日常が覆されると、こういう状況になるんだというのがリアルで、興味深かったです。
――政治パートでは佐藤浩市さん演じる首相が“防衛出動”を下すまでの葛藤も描かれていて、そういったところに人間味がありましたね。
台本を読んでいるときよりもキャラクターが生きていて、魂がそこに宿っているのを感じました。それはそれぞれがいろんなことを考えながらこの作品に入っていて、それを役の中で表現しているからだと思うんですよね。人間が今回の映画のような局面に立たされたときに、どう考え、どう行動するのかもリアルだったと思います。
――では最後に読者へのメッセージをお願いします。
すごい緊迫感のある中で撮影していましたが、完成した作品も手に汗握るエンターテインメントになっていると思います。なおかつ映画を見終わった後、平和の素晴らしさを実感する作品になっているので、たくさんの方に見ていただきたいですし、きっと満足していただけると思っています。
取材・文=馬場英美
映画「空母いぶき」
5月24日(金)公開
配給=キノフィルムズ
原作=かわぐちかいじ
出演=西島秀俊、佐々木蔵之介、本田翼、玉木宏、中井貴一、佐藤浩市ほか