山崎育三郎、自身3作目となるカバーアルバムをリリース!「『MIRROR BALL ‘19』はチャレンジし切った作品です」
年齢や性別、国籍に関係なく、さまざま人に届く作品をイメージ
――「お祭りマンボ」ですが、いろんな国の要素が盛り込まれているほか、途中でラップが入っているなど、ユニークなアレンジで楽しく聴かせていただきました。どんなイメージで制作をされたんですか?
山崎:「お祭りマンボ」は50年代の美空ひばりさんの楽曲ですが、調べてみると、意外とあまりカバーされていないんですよね。そういう、やってそうでやっていないものを現代バージョンとして作ってみようというところからスタートしていて、打ち合わせの段階から、年齢や性別、国籍に関係なく、さまざまな人に届く楽曲にできるといいねという話はしていました。
――公開されたミュージックビデオも無国籍感が溢れてます。
山崎:そうなんです(笑)。実は、あれは「お祭りマンボ」をテーマに作ったものではなくて、このアルバムのコンセプトをテーマにしているんですよ。なので、50年代から現代までのミュージックシーンだったり、各時代に流行ったダンスだったりを盛り込んでるんです。エルヴィス・プレスリーから始まって、70年代のソウルトレイン、他にもバブルとかパラパラ、ギャル男、TikTokまで。どの世代の人が観ても、自分のときはコレだっていうのがあると思います。
――ダンスに合わせて山崎さんの衣装も次々に変わっていって……。撮影にはどれくらいかかったんですか?
山崎:1日で撮影したんですけど、なかなか大変でしたね(苦笑)。どんどん着替えて、振り付けもその場で覚えてっていう。でも、僕が時空を超えていくっていうのがテーマだったので。アルバムのコンセプトにもピッタリのMVができたんじゃないかなと思います。途中でギャル男に扮したヒャダインさんも登場するので探してみてください(笑)。
――「かけめぐる青春 with 城田優」では、プライベートでも親交のある城田さんとのディエットを披露されています。ファンも喜ぶ共演ですが、それが実現する経緯はどんなものだったのでしょうか?
山崎:これはヒャダインさんからはじめの段階で、「かけめぐる青春」を城田優とやりたいと言われました。「城田優と山崎育三郎が歌う姿がもう見えてる」って(笑)。
――オファーをしたときの城田さんの反応は?
山崎:一昨年リリースしたカバーアルバム「1936 〜your songs II〜」では、尾上松也と一緒に「夏の終りのハーモニー」を歌ってるんですけど、そのとき「なんで俺じゃないんだ!」って怒りのメールが来たんですよ(笑)。なので、さすがに今回は優じゃないと(笑)。(声を掛けたときは)優も喜んでくれましたね。
――お二人でのレコーディングはいかがでしたか?
山崎:かなりスムーズでした。マイクを並べて歌ったり、向き合って台詞を入れたりしたんですけど、優とは長いこと一緒に歌ったりしてますからね。友人ということもあり、どういうふうに歌うかとか、お互いの声を合わせるっていうのはずっと一緒にやってきているので、何の問題もなくできました。
――先ほど原曲にこだわらないアレンジを意識したとおっしゃられていましたが、ヒャダインさんから上がってきた中で、山崎さんが一番驚いた楽曲はどの曲ですか?
山崎:「フレンド・ライク・ミー」かな。これはディズニーアニメーション「アラジン」のジーニーの曲なんですけど、ジーニーといえば山寺宏一さん。みなさんの中にもその印象が強いと思うんです。で、やっぱりこの曲も、さっきの「お祭りマンボ」と同じで、カバーしてる人が少ないんですよね。誰もが知る名曲をカバーするのってすごくハードルが高いんですけど、今回は敢えてそこに挑戦してみよう、山崎育三郎にしかできない「フレンド・ライク・ミー」を作ろうってことでヒャダインさんが上げてくださったアレンジが、ものすごく面白くて。こう来たか!って感じ。山寺さんバージョンとは全然違うけど、これはこれで僕の個性が生かされた「フレンド・ライク・ミー」になっていると思います。
――ハードルが高かった分、完成したときの達成感が大きかったんですね。
山崎:そうですね。曲の知名度はもちろんですけど、もともと歌っているのが山寺さんですからね。僕自身、山寺さんの大ファンですし、今公開されている「アラジン」の実写版も、アニメーション版の公開から30年近く経ってもまた山寺さんがキャスティングされたわけじゃないですか。それぐらい、やっぱり日本ではジーニー=山寺さんの「フレンド・ライク・ミー」が定着していますから。僕もそのファンの1人として、ある程度のライン以上のものを出さなければ歌っちゃダメだと思っていたんですけど、今回はそのラインには届いたかなって思いました。
――「フレンズ・ライク・ミー」にはいろんな声色が入っていますが、特に加工は施していないということにも驚きました。
山崎:この曲ではフレーズごとに歌い方を変えていきまして。まるでお芝居を作るかのように、ヒャダインさんからテーマをもらって。例えば、ここでは落語家っぽくとか、ここは小学生みたいにとか、決まったテーマに合わせてフレーズごとに歌っていったので、加工とかではないんですよね。ただ、これをライブで一気に歌うのはすごく大変だと思います(笑)。
――また、「高校三年生」では現役高校生ラッパーを迎えたコラボがユニークだなと思いました。
山崎:「高校三年生」って60年代の曲なんですけど、その時代の高校生をイメージして作られた楽曲と、今の高校生のラップがコラボするって、めちゃくちゃ面白くないですか!? 何か、今の高校生が、この「高校三年生」でラップしたくなるような(笑)。きっと今の高校生は原曲を知らなかったりすると思うので、「山崎育三郎の『高校三年生』で俺もラップしたい」みたいなふうになってもらえたらうれしいですね(笑)。
3240円(通常盤) ユニバーサルミュージック
やまざき・いくさぶろう=1986年1月18日生まれ、東京都出身。10/11(金)に東京国際フォーラムAにて、昨年に引き続き「THIS IS IKU 2019」、全国ツアー「山崎育三郎 LIVE TOUR 2020~MIRROR BALL~」を2020年1月、2月に開催! 11/3(日)にヒルトン東京お台場にて、ファンクラブプレミアムイベントを開催する