超低予算時代劇「小河ドラマ 龍馬がくる」が審査員特別賞を受賞!ほかユニークな番宣、広告事例が各賞を受賞
2018年にBS・CS(有料多チャンネル)で放送されたオリジナル番組の中から、優れた番組、企画を表彰する「第9回衛星放送協会オリジナル番組アワード」。惜しくも最優秀賞を逃した作品として、番組部門から時代劇専門チャンネルの「小河ドラマ 龍馬がくる」が審査員特別賞を受賞した。
今年から新たに新設された番宣部門の最優秀賞にはムービープラスの「特集:ランボー吹替 全5種」番宣が、広告を対象としたCAB-J賞には「東北6県へのインバウンド施策」が輝いた。
「小河ドラマ 龍馬がくる」は、時代劇シーンを少なく、坂本龍馬のエピソードのスケールを小さくした、超低予算・“非”本格派時代劇。人生最後の龍馬役に挑む武田鉄矢(本人役)の前に、本物の坂本龍馬(三宅弘城)がタイムスリップしてくる。武田は「誰も知らないエピソードを教えてほしい」と頼むが、「幕末のカリスマ龍馬」のイメージを台なしにするエピソードの連続に、かつてないスケールの小さな龍馬の物語が完成してしまう…というストーリー。
審査委員の吉岡忍氏(ノンフィクション作家)は、「過去と現在、歴史の舞台と現代の撮影現場を行ったり来たり、ドタバタするうち、『時代のローション』として動きまわった彼の姿が浮かび上がってくる」とし、「龍馬フリークを自認する武田鉄矢の本気とも芝居ともつかない身振りと口調が、意外に小人物でありながら世の変わり目には絶対に必要とされた龍馬の実像に説得性を持たせている」とコメントした。
地上波で放送するたびに各局で吹替版が制作され、今や5種類の吹替が存在する映画『ランボー』。その全てを集めて放送した「特集:ランボー吹替 全5種」の番宣は、同じシーン5種類の吹替を連続して見せたもの。番宣部門の審査は、衛星放送協会の正会員社の投票によって行われ、最も多く票を獲得した作品が最優秀賞に輝いた。この番宣に投票した各社からは、「『過去の名作』の見せ方にこんな方法があるのだと驚いた。こういった方法で人目を引く訴求ができるとは…まんまと見たくなった」「アイデアが斬新」「番組を見て聞き比べしたくなった」などの選評が寄せられた。
また、CAB-J賞では、ヒストリーチャンネルで展開された、東日本旅客鉄道が広告主のインバウンド施策の広告事例が受賞。外国人の男女が鉄道で東北6県を旅する姿を通して、東北の魅力を伝えたスポンサード番組「ORIGINS 鉄道で巡る、冬の東北」は東南アジアでも放送された。滝山正夫CAB-J会長は「私たち日本人にとっても多くの新鮮な発見がある、秀逸な情報番組と言っても良いほどのクオリティの高いもの」と評価した。