<いだてん>西山潤、筋力アップのために7キロ増「鏡を見る回数も増えましたから(笑)」
「水泳選手の役と聞いて、水泳も得意だし丸刈り頭も似合うのでこれは僕しかできない役だ!と思いました」と語るのは、大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(NHK総合ほか)で、水泳男子日本代表選手・宮崎康二を演じている西山潤。
「実は10年前、子役として『天地人』(2009年NHK総合ほか)に参加しましたが、そのときとは現場での気持ちが全然違いました。緊張もせず落ち着いて自分の芝居ができるのは、これまでの経験が生かされているからだと思います」
――今回は時代劇ではなく近代劇。だからこその大変さもあるという。
「例えば応援をするシーンで“OK”って叫んだけど、この時代の人は使っていた?となったり…。ささいなことですが時代が近いだけに考えさせられることも多いです。あと、大変なのは泳ぎ方。当時はクロール以外に日本泳法という平泳ぎとは違った泳ぎ方をしていましたが、最初は頭が沈んでうまく泳げなかった(笑)。ちなみに泳ぎのシーンはゴーグルを着けずに撮影するので、泳ぎながら撮られていい表情もつくる必要があって…。初めてのことだらけでした」
――水泳選手に見えるようにカラダの改造も行ったという西山。
「筋肉をつけるため、7キロ増量しました。撮影中は、自分史上、一番いいカラダだったんじゃないかな。鏡を見る回数も増えましたから(笑)。現場でも、みんなそれぞれの筋肉を批評していましたね。中でもバランスのいい脂肪と筋肉をつけていたのは大東(駿介)さん。筋肉にストイックなだけに素晴らしかったです」
――どうやってカラダを作ったんですか?
「タンパク質の多いものを積極的に取り入れて、1日7食は食べました。ちなみにそのときのクセで、今でも食品表示のタンパク質量を見ちゃいます。筋肉を一度つけると、服を着るときに様になるんですよね。なので、今後も維持していきたいです」
――そんな彼の役者としての目標は、マルチに活躍できる人。
「学生以外に社会人はもちろん、最近は人間でない役もあったりするので、そういう色んな役を楽しみながら演じられたらいいなと思います。ちなみに役に悩んだりすると、子役のころを思い出します。あの頃って純粋に現場に行くのが楽しかっただ
けでしたから。その気持ちを忘れずにいたいですね」
――近年、同い年くらいの俳優が実力をメキメキとつけてきているが…。
「実はこの年代、ライバルが多いんです。みんなの作品を見ていい刺激をもらっています。そして負けられないというのが正直な気持ち。切磋琢磨しながら高め合いたいです」
取材・文=玉置晴子