矢本悠馬、作品から学んだ“プロの厳しさ”「この作品があったから今の自分がある」<べしゃり暮らし>
「自分と子安はまったくの真逆」
――原作漫画を読んでの感想はいかがでしょうか?
学生時代から、同じ森田先生の漫画である「ろくでなしブルース」も「ROOKIES」も「べしゃり暮らし」も読んでいました。
僕はデジタルきんぎょ(作中に登場するお笑い芸人)のファンで、当時は子安というキャラクターの目線では読んでいなかったので、役が決まってからは子安フォーカスで読み返しましたね。
――役が決まった時のお気持ちはいかがでしたか?
子安蒼太という役に決まった時は、難しいなというのが最初の感想でした。原作の絵のタッチも割りと子どもっぽさがありますし、性格もちょっと引っ込み思案で、お笑いマニアで、いろんなことに悩んで葛藤して、“等身大の高校生”という感じが強かったので、それを今の僕がどう演じればいいんだろうという難しさがありました。
見ている方が原作との乖離(かいり)を感じてしまうんじゃないかとか、その感覚をどう埋めていけばいいんだろうと、本当にすごく不安で悩む時間が長かったです。
役作りとしてなるべく体重を絞ったりとか、撮影中は常に表情を明るくしたりすることは心掛けました。
――ご自身と役で共通しているなという部分は?
それがまったくなくて、学生時代も子安とはまったく逆で目立ちたいタイプでした。だから、子安を演じることが本当にきつくて、撮影の前日も眠れない日があったくらいでした。
でも、学生時代を振り返った時に、自分を支えてくれていた人たちっていっぱいいて、子安というキャラクターは、今思えばそういう人たちだったのかなと思います。