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THE YELLOW MONKEY、聖地・La.mamaでのプライベートギグにて、デビューシングル含む6曲を披露!

2019/08/07 21:30


一瞬の戸惑い。そして大きな歓喜の声。それをオープニングSEに据えるかのようにして、この特別な夜は「Subjective Late Show」で幕を開けた。2016年の秋に実施された全国ホールツアーのタイトルにも掲げられていたこの曲は、1992年6月発表のメジャー1stアルバム『THE NIGHT SNAILS AND PLASTIC BOOGIE(夜行性のかたつむり達とプラスチックのブギー)』からの選曲だ。そして間髪を入れずに、これまた同アルバムからの「Chelsea Girl」が始まる。この時点でもう、彼らが”あの頃“のライブパフォーマンスを意識しながらステージに立っていることは明らかだった。それを裏付けるように、今夜のステージ上には、完全に4人しかいない。現在実施されているアリーナツアーに参加しているサポートメンバー、鶴谷崇(key)の姿はそこにはない。

「どうも皆さん、ようこそLa.mamaへ!」

吉井和哉は、まるで自宅にオーディエンスを招き入れるかのような口調でフロアに呼び掛け、映画『オトトキ』で無観客ライブの模様をこの場所で収録した際には非常に寂しかった、と語る。そして、いつかふたたび演奏したいと考えていたこの場所で、ドームツアー開催発表と当時にライブができている喜びを口にした。そうした発言のなかで、彼はLa.mamaを「時空を超えた、特別な場所」と形容し、かつてはこの場所でプレイすることをイメージしながら曲を作っていたことがあるのも認めていた。

吉井和哉(ボーカル)
吉井和哉(ボーカル)撮影●横山マサト


そんな語りに導かれながら始まったのは、これまた初期の名曲のひとつとして知られる 「LOVERS ON BACKSTREET」。こちらは1991年7月にリリースされたインディーズ作品、『BUNCHED BIRTH』からのセレクトだ。そして、やはり同作からの「SLEEPLESS IMAGINATION」がそれに続く。この時空を超えた空間は、まさにタイムマシーン。THE YELLOW MONKEYを愛する人たちの多くが原体験できずにいた時代のライブを、時間を逆戻りしながら味わっているような感覚だ。しかもこれは、単純な“過去の再現”とも違っている。THE YELLOW MONKEYがバンドとしてまだまだ未成熟だった時代の楽曲を目の前でプレイしているのは、まぎれもなく現在の、文字通り日本を代表するロックバンドのひとつとなった揺るぎない4人なのである。

菊地英昭(ギター)
菊地英昭(ギター)撮影●横山マサト


涙を流しながら笑顔で歌詞を口ずさむファンの姿も


演奏は同じ選曲モードのままで続き、終盤にはやはり1stアルバム収録曲であり、同時に彼らにとってのデビューシングル(1992年5月21日リリース)にあたる「Romantist Taste」が登場。そしてわずか30分という短い饗宴の終幕を飾ったのは、インディーズ作からの「WELCOME TO MY DOGHOUSE」だった。この曲を歌う前に、吉井は「この地下の、クサい匂いが大好き」と言った。その言葉を聞いて改めて痛感させられたのは、ここまで巨大な怪物バンドとなった今現在も、犬小屋のように狭い空間で育まれた精神や美学といったものは4人のなかから少しも損なわれていないのだ、ということ。実際、菊地英昭がこの日、初めてこのバンドのメンバーとしてこのステージに立った30年前のあの夜と同じギターとキャビネットを持ち込んでいたという事実も象徴的だ。

廣瀬洋一(ベース)
廣瀬洋一(ベース)撮影●横山マサト


4人が全6曲の演奏を終え、その場から姿を消したのは、午後8時を9分ほど過ぎた頃のこと。250人というごく限られた来場者と、YouTubeでその様子を世界中から見守り続けた多くの人たちの目に、この夜の彼らはどのように映っただろうか? ちなみに結果的には、最大同時聴者数は約4万人、視聴回数は約12万を記録するに至っている。

菊地英二(ドラム)
菊地英二(ドラム)撮影●横山マサト


 実際のライブ中、涙を流しながら笑顔で歌詞を口ずさむファンの姿も目に飛び込んできたし、「こんな近くで観られるなんて信じられない!」といった感嘆の声も聞こえてきた。30周年を記念しての料金わずか30円のライブは、本当にまるで信じがたい夢のような出来事だった。

しかし、これが2019年のTHE YELLOW MONKEYを取り巻く現実なのである。そんなひとときを経て、彼らはふたたびアリーナツアーの日常へと戻っていった。吉井は「またちょくちょくやりたいね、これは」などとも口にしていたが、その約束が果たされるのがいつのことになるのかは、まだ誰にもわからない。が、今回の聖地巡礼はファンに対するサプライズ・プレゼントになったばかりではなく、彼ら自身にとっても次の段階へと歩みを進めるうえで、間違いなくとても意義深いものとなったはずである。 

ライブハウスならではのオーディエンスとの距離感
ライブハウスならではのオーディエンスとの距離感撮影●横山マサト


THE YELLOW MONKEY PROFILE


吉井和哉、菊地英昭、廣瀬洋一、菊地英二のラインナップで1989年12月から活動。グラムロックをルーツに持つ独自のグラマラスなスタイルで人気を博し、1992年5月メジャーデビュー。ライブの動員、CD売上ともに90年代の日本の音楽シーンを代表するロックバンドとなるも、2001年1月8日東京ドームでの公演終了後、活動を休止。その後も休止状態のまま、2004年に解散。2016年1月8日、再集結を発表。22万人を動員した全国アリーナツアーを皮切りに、フェスへの参加や全国ホールツアー、15年ぶりの新曲リリースなど精力的に活動し、大晦日にはNHK紅白歌合戦への初出場を果たす。2017年5月にはベストアルバムの新録盤をリリース。その後、3ヶ月連続配信リリースや再集結の一年間を追ったドキュメンタリー映画「オトトキ」の公開などを経て、12月に17年ぶりとなる東京ドーム公演を開催。2018年11月、約1年ぶりとなる新曲『天道虫』を配信リリース。同日、全シングル・アルバムの全世界配信を開始。

2019年1月、先行配信シングル『I don’t know』リリースを経て、4月17日に19年ぶり9枚目となるオリジナル・アルバム『9999』をリリース。同作を携え、4月27日より全国アリーナツアーを開催。

取材・文●増田勇一

この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。

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【ドームツアー情報】
「THE YELLOW MONKEY 30th Anniversary DOME TOUR」
2019.12.28(土) ナゴヤドーム OPEN 15:00 / START 17:00
2020.2.11(火・祝) 京セラドーム大阪 OPEN 15:00 / START 17:00
2020.4.4(土) 東京ドーム OPEN 16:00 / START 18:00
2020.4.5(日) 東京ドーム OPEN 15:00 / START 17:00

【チケット詳細】
指定席 9,900円(税込)
*6歳以上はチケットが必要(但し、6歳未満でも座席が必要な場合はチケット必要)
DOME TOUR特設サイト

画像一覧
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  • 吉井和哉(ボーカル)
  • ライブハウスならではのオーディエンスとの距離感
  • 菊地英昭(ギター)
  • THE YELLOW MONKEYにとってLa.mamaは特別な場所
  • 菊地英二(ドラム)
  • 全6曲が演奏されたステージ
  • 廣瀬洋一(ベース)

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