内田滋、クールな弁護士役に「最後まで善か悪か分からない人物にしたい」
「それぞれの断崖」(毎週土曜夜11:40-0:35、フジテレビ系)は、遠藤憲一演じる“被害者の父”志方恭一郎と、田中美里演じる“加害者の母”八巻はつみが、ついに一線を越えてしまうという展開に突入した。
本作で加害者の弁護士・若菜秀一を演じているのは内田滋。
8月31日(土)放送の第5話では、志方の次女の真紀(永瀬莉子)や妻の雪子(田中美佐子)、そして若菜が二人の関係を知ってしまうことに。
仕事に情など挟まないように見えるクールな若菜も、はつみの働くクラブまでわざわざ出向いて「二人の関係は満(清水大登)くんの更生の妨げになります」と釘を刺す。
そんな変化を見せていく若菜を演じる内田に話を聞いた。
若菜は知的な人かと思いきや意外に熱い武闘派
――主に少年事件を手掛ける人権派弁護士で、理想が高く上昇志向も強いという設定の若菜役への向き合い方は?
最初、台本を見た時は「せりふいっぱいあるなぁ、嫌だな」と思ったんですけど(笑)、プロデューサーがその時々で僕にハードルを与えてくれている感じがしたし、いつも新しいことをやらしていただいているのでありがたいなと思いました。
知的な人なのかなと思いきや意外に熱い武闘派みたいなところもある。視聴者の方には不気味に映ればいいなと思っていて、悪なのか善なのか分からない、最後まで何を考えているのか分からないような人物にしたいなと思っていまして、欲深い弁護士だとしてもその時々で見え方が変わればいいなと思っています。
眼鏡なども小道具さんと直に相談して、全部自分で選ばせていただきました。丸すぎない形で知的に見えるけれども、ちょっとおしゃれも入っていてとか。髪形もカチッとしながらしゃれたもの、オールバックは嫌だとか。服装も含め完璧主義じゃないですけど“抜かりがない感じ”にしたいと思いました。
――初共演の遠藤憲一さんの印象は?
一緒に芝居をやってみて思ったのは、すごく芝居のことを考えていらっしゃる方だなぁと。あるシーンで、普通だったら座っているだけなんだけど「動き回ってやらないか」とか監督やスタッフにいろいろ提案してくださって、(芝居に対する)視野がどんどん広がって、そのシーンに全然違う色合いが見えたり、シーンを色鮮やかにしてくれる感じがして、すごく楽しかったですね。
――田中美里さんとは15年ほど前の舞台がきっかけで親しくなり「美里ちゃん」「しげちゃん」と呼び合える仲だとか?
美里さんはお酒が強くて、飲んでも全然変わらないんですよ。クールビューティーだから一見、近寄りがたい気がするけれど、話したらすごく気さくで、よく笑う方。チャーミングなところがすごくある。
20代半ばからイメージが全く変わらず、体形も見た目も変わらず、おきれいなまま! 以前はお互いの舞台を見に行っては、観劇後に一緒に飲んでとか、しょっちゅうやっていましたね。
話す内容も演技論だけでなくオールマイティー。その関係性が元々ある分、今回が初共演なのに、演技上何も探る必要がなくて、すごくやりやすいですね。
――今後の若菜とドラマの見どころは?
若菜は、この裁判が成功すれば名前が上がると自分のことだけを考えているやつのはずなのに、はつみのことを励ましてみたり、志方との関係を本当に危険だっていち早く察しているから、はつみが働いているクラブにわざわざ会いに行って釘を刺したり。若菜の関わり方に、すごく情が入ってきていると思うんですよ。
最初は「まさか被害者家族と加害者家族が!?」って思いながらも、台本読むと何か納得しちゃうんですよね。吊り橋効果みたいなもので、お互い心に穴が開いていて不安定な状態の時に不安定な人と出会ってしまう、みたいな。
うそくさいと思うくらい話は飛んでいるのに、実は心理学とかで突き詰めていくと「あってもおかしくないじゃないの?」っていう具体性の説得力があるから本当によくできた台本だなって思います。
原作はドラマで言うところの5〜6話までしかなく、そこから先はオリジナル。今後どういうふうになるのか僕が演じる若菜のことも含めて、楽しみです!
毎週土曜夜11:40-0:35※8月31日(土)は放送時間繰り下げの場合あり
フジテレビ系で放送
出演=遠藤憲一、田中美里、清水大登、渡邉蒼、永瀬莉子、仁村紗和、内田滋、梨本謙次郎、目黒祐樹/田中美佐子
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