玉山鉄二、主演ドラマに自身の人生のターニングポイントを重ねる「昔は優先順位の一番上が“僕”だった」
ーー本作の台本を読んでみて、率直にどう思いましたか?
まず僕はトップリーグという存在を知りませんでした。実際にそういう方がいるということは、普段観ているニュースへ疑惑を持つきっかけになりますし、(本作には)政治と記者の癒着も出てくるので……なんか話しづらいな(笑)。
だからといって「政権に批判的な目になれ」ってことではなくて、政治だけに限らず、情報っていうものはできあがるまで、いろいろなプロセスがあるのかもねって。SNSが普及してから、情報を出す方も受けとる方も意識が変わったと思うんですよ。今はすぐに炎上したり、ウソがバレたりする時代だからこそ、情報との向き合い方を問われる作品なのかなと思っています。
ーー「トップリーグ」という存在を知らなかったということですが、どのように役作りをされていったのでしょうか?
僕はもともと政治が好きで、ドラマが決まる前から、バーで飲みながら政治家の友人と政治の話をしていたんですよ。その方が、官僚の友だちを連れてきてくれたり、自分についてくれている記者さんを連れてきてくれたりしていたので、やりとりを思い出したり電話して聞いたり、昔のニュースと現代のニュースを見比べて、自分の中での違和感や違いを見つけたりしました。
ーードラマ「トップリーグ」の魅力をどのように感じていらっしゃいますか?
やっぱり一人の記者が政治の世界に飲み込まれて、自分が自分でなくなってしまう(という人間の本質が描かれている)ところが大きな魅力じゃないのかなって思います。ただ僕は、政治記者の話だけではなくて、多かれ少なかれ、どんな(職業の)世界でもありえることだと思っているんですよ。それが新聞記者と議員だから、ドラマ性も高くて「大きな出来事」って感じてしまうだけではないかと。
ーー本作のように、普通ではわからない「世の中の闇の部分」を知ることができるのもエンターテインメントの魅力ですよね。
たとえば夜の堅めのニュースにジャーナリストが出演して「じつはトップリーグって存在がいて、記者が一人の議員について情報をもらっていることが実際にあるんですよ」って話をしてもいいわけじゃないですか。でもそれがされないってことは「(トップリーグの存在って)パンドラの箱なのかな?」って思うし、僕が感じたような疑問めいたものを、(視聴者の方たちにも)作品を通じて感じてもらって、情報に向き合うっていうのも、これからの時代に大切なことなのかなって思います。