玉山鉄二、主演ドラマに自身の人生のターニングポイントを重ねる「昔は優先順位の一番上が“僕”だった」
ーー「トップリーグ」で玉山さんが演じる松岡は近藤と出会ったことで大きく人生が変わりますが、玉山さんの人生でターニングポイントになった出会いを教えてください。
子どもができてからはすごく変わったと思います。(それまでは)プライドも高かったし、人生の優先順位はかならず僕が一番上だったし……。それが今は自分が一番上じゃなくて「二番手、三番手でいい」って思えるようになったことが、一番大きな変化だと思います。
ーー性格の面も大きく変わられたんですね。
一人だった時よりも保守的になるのかもしれないけれど、守るべきものが背中にあって生活をしていきながら、彼らが10年、20年後に観ても恥ずかしくない作品をやっていきたいとは思っています。
ーー話を聞かせていただいていると玉山さんはいわゆる一般的な「普通の感覚」を持たれていると感じました。何か意識されていることはありますか?
自分以外の人間に対してのリスペクトや感謝の気持ちを持つことじゃないですかね。やっぱり「自分がいなきゃいけないポジション」ってあるじゃないですか。それより頑張りすぎると調子に乗っちゃうし、下にいきすぎると仕事ができなくなっちゃうし、ちゃんと自分の立ち位置が分かることが大事だと思うんですよね。でも、一番大事なのは墓参りだと思っています。東京に出てきて20年経つけど、春と夏の年に2回、毎年欠かしたことはないです。
ーー墓参りをするとなぜ一般的な感覚を忘れずにいられるのでしょうか?
東京へ出てきて仕事している時は、いろいろちやほやされたり、明らかに年上の人が敬語で話してくださったり、ずっと立っていると椅子を持ってきてくれたり、いたれりつくせりじゃないですか。でも、京都の実家に帰ると高校卒業した僕のイメージのままなんですよ。そういった部分で自分の立ち位置の確認ができるんですよね。
ーー現在本作の撮影中(インタビュー時)だそうですね。過去のインタビューを拝見すると、迷ったり、役が抜けなかったり、役を演じる上で悩める部分を持っているイメージがあったのですが、撮影中の今は吹っ切れているような印象を受けます。
それは僕の闇を知らないからですよ(笑)。でも、もしかしたらその闇がある分、そういうふうに振る舞っているのかもしれないです。どっちの自分が本当の自分なのか、どちらに憧れているのか、僕もわからないんですよ。
ーー深いお話までありがとうございました。あらためて、最後に本作の見どころを教えてください。
やっぱり記者と(小林)薫さん演じる官房長官のやりとりじゃないですかね。松岡が政治の世界に飲みこまれていく中で、どう変化し、どういうプロセスを踏んで自分の出したい記事を出していくのか?っていうところだと思います。
(ヘアメイク:TAKE for DADACuBiC@3rd スタイリスト:袴田能生(juice))