瀬々敬久監督が映画タイトルに込めた想い…佐藤浩市と明かす舞台裏
――何度もタッグを組まれていますが、監督から見た俳優・佐藤浩市さんの魅力とは?
瀬々「本人を目の前に言うのも恥ずかしいですが…(笑)。浩市さんはものすごくふり幅が広いんですよ。映画をよく知ってるから、こう見せたらいいという“手”も知ってる。でも、ここは手だけじゃだめだ、手を超えないといけないなっていうこともよく分かってるんですよ。手だけを使ってもこのシーンはつまんないなっていうときがあって、その先を追求しようとしてくれる。そのふり幅の広さが一緒にやっていて非常に面白いわけですよ。このシーンはこうしてみよう、という風にいろいろ実験できますし。あまりに実験をし過ぎて、たまに他のスタッフを置いていっちゃうときもあるんですけど(笑)」
佐藤「すいません(笑)」
瀬々「そういうところが浩市さんとやっていて楽しいところですね」
佐藤「それはこちらも同じです。気持ちを持っていたとしても、それが映らない場合があるんですよ。それを映すためにどういうことをするか。いろんなアプローチがあって、監督の場合それがすごく遠くからのアプローチだったりもするんだけど、そこで見えるもの(ふり幅の先にあるもの)が見つかると、ものすごく役者としてはうれしいんです」
瀬々「それと、浩市さんは追い込まれたときにナイーブに内にこもるんじゃなく、ポーンと外向けに解放できる人。その瞬間が面白い」
9月22日(日)夜9:00-11:50
「64 -ロクヨン- 後編」
9月29日(日)夜9:00-11:50
日本映画専門チャンネルで放送
※瀬々敬久監督、佐藤浩市インタビュー付き