財前直見、「陽子さんと自分も、あながち遠くはないのかもしれない」
――ご自身の役柄についての印象や、役のここに注目してほしいという点などはありますか?
常治さん(北村一輝)に旦那さんを助けてもらったという恩があり、たまたま陽子の実家筋に空き家があったので川原家にお貸しすることになるんです。陽子さんは、あっけらかんとしていて、細かいことを気にする人じゃありません。「いいよ、いいよ」「どうぞ、どうぞ」と大盤ふるまいするタイプで、すごく嫌味なく、すごくスマートに親切にできる人という印象ですね。
「陽子」という名前をぱっと見たときに「太陽の“陽”だな」と思ったので、出てくると明るくなったり、あたたかくなったりするイメージの人物になるよう心がけています。その場の空気はあまり読まず、ぱっと入って来ますけどね(笑)。
私は今も小さい頃から育った大分で暮らしていて、「スカーレット」の世界となんとなく近いものがあるかもしれません。家でかぼすが採れた時にご近所に持って行ったりすると、お魚がいっぱい釣れた時に持ってきてくれたり、テレビの撮影が来るとなったらおはぎの差し入れをいただいたりするんです。
私が陽子と似てるところは「お客さんが家に来たらあれも食べ、これも食べ」と食べ物を勧めてしまうところですかね(笑)。これは、母譲りなんです。あと、食材をむだにするのがもったいなくて、採れた季節のものをどう長持ちさせておいしく頂くかに興味があります。自分で作れば安心安全だし、季節のものをおいしく頂けるのがぜいたくだなと感じます。陽子さんと自分も、あながち遠くはないのかもしれないですね。