元ベビレ・傳谷英里香、解散後は「自分のことで頭を悩ませた1年でもあった」
―― この1年間の活動を振り返っていかがでしょうか
お芝居はもちろん、プライベートな面でも「自分をさらけ出す」という部分が自分の中で変化しました。昔から周りの方に「自分を出していいんだよ」って言われてきたんです。自分では素を出しているつもりなのに、プライベートも仕事でもきれいに過ごして「何でもこなして完璧だね」って。でも、それって私の中ではまったくいい意味ではなかったんです。面白くないというか、「味のない人間」なんじゃないかって不安でした。
どうしても相手を第一優先に考えてしまうので、「相手がこうしてほしいだろうから、私はこうしたい」と、自分自身が「こうしたい」というのは今までしてこなくて。でも「あなたがしたいことをしていいよ」と、肯定される1年でした。
――その変わった部分は演じる上でプラスになることはありますか?
すごくプラスになりました。プライベートでも少しづつ自分のしたいことを考えるようになってから、役について考えるときに、より「この子本当は何がしたいのかな」ってその(役の)子と自分自身を親密にさせられるようになったんです。
やっぱり、自分自身のことが分からないと他人のことなんてもっと分からない。だから、自分と向き合う時間は大切なんだと、原点に戻った感じです。グループのリーダーだったころは、やっぱりみんなとのバランスを考えないといけないから…。久々に自分のことで頭を悩ませた1年でもありましたね。
―― これからの活動についてお伺いしたいのですが、来年はホノルルのトライアスロンに出場予定だとか?
そうなんです、7月くらいから特訓を始めていて。昨日もバイク30分とラン5kmを練習してきました。個人的にはずっとバスケをしていたので、運動系の企画をさせていただけるのであればバスケかなって思っていたんですが…。「バスケできるのは知っているし、走るだけじゃね」ってスタッフさんから言われたので、思い切ってトライアスロンに挑戦しようと(笑)。でも新しいチャレンジは好きなので、精一杯がんばります!
―― 新しいチャレンジというのは女優業に対する還元も大きなものになりそうですね
経験してマイナスになることはないって思っているんです。大きくいうと人生にもそうですが、嫌な思い出はお芝居に還元できるから。どんなに嫌なことがあったとしても、その時の傷がこれからの役に生かせたら、その過去の自分が救われるんじゃないかって。「やったことがある」という経験は、これからに向けてよりいいことだと思うので、さまざまなことを「知っている」じゃなくて「経験したことがある」に変えていきたいです。
―― 最後にこれから演じてみたい役や出たい作品について教えてください
今年出させていただいたドラマでは天真爛漫で明るい子、イマドキな子を演じさせていただきました。逆に、舞台ではどこか傷を抱えている子で。なので、それを映像で演じたらどうなるのか気になりますね。見た方に感動を与えたり、自分自身何かを得る作品に携われたらうれしいです!
高校生のころ、深川栄洋監督の作品で「半分の月がのぼる空」(2010年)を見て、それがすごく印象に残っていて。もしご一緒できる機会があればすごく幸せです。
2500円(税別)
集英社
撮影:細居幸次郎
■ 傳谷英里香 公式Twitter
https://twitter.com/lespros_denchan