映画「ミッドナイトスワン」主演の草なぎ剛、“役をやる上で一番の原動力”を明かす【連載コラム】
映画「ミッドナイトスワン」(2020年公開予定)に主演する草なぎ剛。月刊ザテレビジョンの連載「お気楽大好き！」では、撮影真っただ中の草なぎが、トランスジェンダー(心と体の性別に違和感のある人)のダンサー・凪沙を演じること、さらに「草なぎ剛のはっぴょう会」開催を11月27日(水)・28日(木)に控えた心境を明かしてくれました。
どんな役でも与えられた役は自分でいいんだなって
映画「ミッドナイトスワン」の撮影に入っています。監督はNetflixの「全裸監督」(2019年)を手掛けた内田英治監督で、攻めた感じの映像を撮る方。僕はトランスジェンダーのダンサー・凪沙を演じています。
情報解禁になったときのロングヘアで女性の化粧を施したビジュアルを見て驚いた人もいたかも。あれは「―笑っていいとも！」(1982～2014年、フジテレビ系)のスタジオアルタの前で朝早く撮ったもの。懐かしい場所だよね。
今までも番組だったりでビジュアルはいろいろやってきているので、今回も全部ヘアメークさんにおまかせ。イヤリングを耳たぶにはめるのだけはちょっと痛いかな。凪沙は夜の世界のショーみたいなところで働いている人で、バレエもやるの。チュチュはいて、レオタードはいて。トランスジェンダーの方と一緒にバレエの練習もしたよ。やったことがないからさ、ふくらはぎ超痛くて。
僕ね、最初に今回の台本を読んだとき、めちゃくちゃいい本だなと思ったんですよ。これが僕の役をやる上で一番の原動力。もうそこだけなのね。だって、凪沙の気持ちや置かれた状況について、心の奥底で分かるかと言ったら分からないから。
だけど、こないだ映画「台風家族」(2019年)で市井昌秀監督に言われた言葉はすごい響いていて。「僕でいいんだ」と。それは役をやる上でとても大事なことでね。それこそ「蒲田行進曲」(1999年)のときに、つかこうへいさんが「おまえもう好きなようにやってくれ」「俺が責任取るから」と。責任ってどう取るんだろうと思ったけど(笑)、それも「僕でいいんだ」ということに通ずることであって。どんな役でも与えられた役は自分でいいんだなって。
今まで演じることでいろいろ悩んだこともあったけど、そういう次元は僕の中では抜けていて。新境地でもあるし、別に難しく考えなくても自分でいいんだと。本当にいい本だと思う自分がいるから、それを信じてやればいいんだと。
それに前回の「台風家族」も、今回の「ミッドナイトスワン」も監督が自ら脚本を書いたオリジナル作品。だから、どう転がっても監督が生み出したものに迷いはないし、めちゃくちゃ監督の熱量がある。だからこそ、何も考えず身を任せられるわけで。オリジナル脚本の魅力だなと思う。
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