松田龍平、芥川龍之介役は「一人の男として何を思うのかを考えながら演じました」<ストレンジャー>
みなさんステキな方ばかりでした
――芥川が上海で出会う、妓楼の人々、そして革命に生きる人々を演じた中国人キャストのみなさんの印象を教えてください。
皆さん、ステキな方ばかりでした。その上、お芝居だけじゃなく、歌や踊りができたり、いろんな技を持っている方が多くて、こんな人たちが中国には山ほどいるんだと思ったら、自分も頑張らないといけないなと思いました。
――言葉が通じない中で、どのようにコミュニケーションを取られていたのでしょうか?
今回、180人もの中国人スタッフの方に参加していただいたんですが、みんな同じ目的に向かって歩いているので、言葉が通じなくてもわかりあえるところがあるんですよね。それは俳優部も同じで、台本というキャッチボールできる言葉があるので、そのうえで会話ができるんです。そういう意味では楽しかったですね。
――撮影中、とくに印象に残っていることはありますか?
玉蘭役の胡子玫さんが一緒に写真を撮ろうと言ってくれて撮ったんですが、それを見たらアプリで加工しすぎていて別人で(笑)。ドラマの中ではクラシカルな雰囲気を持った女性として描かれていますが、実際はすごく明るくて“イマドキ”な女性でした。
――やはり日本人だけの現場とは雰囲気が違いますか?
違いますね。中国のスタッフはすごくパワフルで、声も大きい。日本人のスタッフは終盤になると声がかれてましたからね(笑)。本当にアグレッシブな人が多いので、日本から行ったスタッフも刺激を受けたんじゃないかと思います。
――このドラマでは芥川が上海で過ごした4カ月間が描かれていますが、芥川はこの旅で何を見つけたと思いますか?
芥川はこのドラマで描かれる1921(大正10)年から6年後に自殺するのですが、そのことはずっと胸の中にありました。それでいて芥川が最後に着ていたのが上海で買ったお気に入りの服だったというエピソードも感慨深く、人間のあり方みたいなものをすごく考えました。
ドラマでも描かれますが、当時の芥川は体力的にもつらい部分を引きずっていて、自分が自分でなくなってしまう怖さを抱えていたと思います。そういった芥川の人間的な側面も注目していただけるとうれしいです。
12月28日(土)、12月29日(日)夜8:10-8:50ほか
NHK ワールドJAPANにて放送
12月30日(月)
夜9:00-10:13
NHK総合、NHK BS4K、NHK BS8Kにて放送