誰が見ても“実家”を思い出さずにはいられない、ホームコメディー「俺の話は長い」<試写室>
そして、モテモテな房江。房江さん…かわいい。かわいい、この人。いつまでも少女のような女性とは、まさに房江のことだ。いつも笑顔を絶やさず、明るい。前向き。これはモテる。こういう人は、いつの時代でもモテるのだ。
満みたいな息子がいたら、わたしは家に閉じこもり、外の人との関係もなるべく断つと思う。さらに、光司も光司で、就職が決まらず、気付けば満と同じようなグレーのスウェットに身を包み、パズルの作成に励む日々を送る。
「本当にこの家族は…」と思うのと同時に、「なんか、いいなぁ」とも思う。
綾子も、春海も、なんだかんだ家族が好きで、5人での時間を大切にしている。今は、家族全員でご飯を食べる、ということが減っているのではないだろうか。
いろいろなことが起こりながらも、家族で一緒に過ごすことが多い満らに、どこかうらやましさを感じる。
喫茶「ポラリス」の常連も、満や綾子、春海を小さい頃から見ているんだろうと感じさせる“ご近所さん感”がある。いつでも誰かが側にいてくれるということは、大人になったときにありがたく感じるだろう。
今日もどこかで岸辺家、秋葉家が楽しく5人で食卓を囲み、ちょっと小競り合いしつつ、笑ってくれていたらいいなと思う。