映画「岳」主演の小栗旬「この作品で少しでも力になれば」
5月7日(土)から公開する映画「岳」の特別試写会と舞台挨拶が都内で行われ、出演者の小栗旬、長澤まさみ、片山修監督が出席した。
同作は、石塚真一による原作コミック(小学館ビックコミックオリジナル連載)は、’08年に第1回「マンガ大賞」、’09年には第54回「小学館漫画賞」を受賞し、現在までに330万部突破しているベストセラー作品。美しい日本の山々を舞台に、山をこよなく愛する主人公・島崎三歩と登山者たちとの温かい交流と、山岳救助の現場で起こる命のドラマを描いた物語。
島崎三歩役を演じた小栗は「3月23日に試写会がある予定でしたが震災の影響できょう改めてこうしてみなさんにお見せできる機会ができてありがたくうれしく思っています。私事ではありますけど、僕の高校の友人が何かできないかって言って、被災地にコピー用紙をいっぱい持って訪れ、中学校の入学式と始業式に参加して手伝いをしました。地震の影響で家族を失った、友人を亡くした学生たちがみんな、そんなことを感じさせないくらい元気に過ごしていた姿を見て、助けに行くつもりが逆に勇気づけられたと話をしていました。この作品でも前向きな何か1つの力になれば、みなさんが誰かに元気をあげたいなって思ってもらえる作品になったらいいなと思います」と挨拶をした。
椎名久美役の長澤は「3月の試写会はいろいろな事情でなくなってしまいましたけど、こうやって一足早くみなさんにこの作品を見てもらえるのはうれしいです。わたしは山岳救助隊の新人の役なんですけど、その役を通じて人の命の尊さとか山の厳しさだったりと自分の役を通じて感じることができたし、それが1つの自分の成長にもつながりましたし、一生懸命前を向いて突き進んでいくという素晴らしさも感じることができました。たくさんの方に見てもらいたいし、この作品は何かの役に立つ作品になるんじゃないかと思います」と語った。
撮影前の訓練について小栗は「撮影の3~4カ月前から岩を登るクライミングとアイスクライミングと登山をやりました。あとは、山を知るということがとても大事だったのでいろんな山に行きましたね。初めて監督と昨年の2月に八ヶ岳の山に登ったときには、風速16mの吹雪の中、頂上を目指して登ったんですけど、頂上に行ったら記念写真を撮ろうって話してて、吹雪の中登ったのでいざ山頂に到着したら、写真なんて撮ってる場合じゃないっすって言って。監督はそれでもカメラを取ろうとしていたら監督の手袋が飛ばされてしまって。命綱のロープをみんなで付けてたんですけど、監督が手袋を追いかけるとみんなも引っ張られてしまって大変でした」とエピソードも披露。
一方、長澤は「いままで本格的な登山も山での撮影もしたことなかったです。山の天気は変わりやすくって、こんなに変わりやすいんだっていうのが登ってから実感したことなんですけど。そんな悪状況でもスタッフさんたちが一生懸命わたしたちのお芝居をする場所を作ってくれてわたしたちもその気持ちに負けないように気持ちに答えられるようにと思っていたので頑張れましたね」と当時を思いを振り返った。
最後に小栗は「本当にこういうことになるとは思わずに真摯に作ってきた作品です。“命は命でしか救えない”というキャッチコピーがこの作品にはありますが、そういうことを感じながら作ってきたので、すごく素晴らしい映画になっていると思います。今回の件で傷ついた方もたくさんいると思いますが、少しずつ前向きに、少しでも元気が出る瞬間があったらいいなと思っています。まだまだ不安定ですが、みんなで頑張って生きていきましょう」とメッセージを送った。
5月7日(土)より公開