ライブに来てくれるみんなを肯定する曲をつくりたかった
――(シングル2曲目収録の)「ハウル」は、今回の楽曲の中ではアップかな。でも、ちょっとやっぱり大人な雰囲気で。フロアタムの使い方が大きく包み込む感じね。
「そうですね。ドコドコしてない感じ! 言葉もいつもより詰まってはいないけど、ポイント的に詰まってる感じで。そこもちょっと大人な魅せ方かな。抜き差しな感じがね。この曲も、悲しみや傷を持った人たちが、強くなれるような、みんなの歌にしたかったんです。1番の歌詞を書いてる時期に「紅蓮華」のツアーが始まったんだけど、そのツアーの後にみんなに伝えられる歌をつくれたらいいなって思いながら書いたんです。「紅蓮華」が無かったら生まれていなかった曲。「紅蓮華」は、TVアニメ『鬼滅の刃』のオープニングテーマだったんですけど、原作を読んで、すごく感動して、一生懸命に行きているみんなが素敵だなと思ったんです。それでいて優しいのって、素敵だなって。その姿が、私のライブでいつもフロアに居てくれるファンのみんなと重なったんです。私が歌う曲は、頑張ってる人にしか刺さらないと思うから。フロアに居てくれるみんなを肯定するっていうか、支えるような、一緒に駆け抜けていけるような、そんな歌がつくりたくてつくったんです」
――歌詞のがむしゃらな強さが完全にLiSAだもんね。
「そう。でもね、ちょっと「ADAMAS」とは趣向が違うんです。一人ならそれでしょうがないから、一人で戦え!っていうのが「ADAMAS」で、一人だけど、一人じゃないんだよ!っていう気持ちが加わったのが「ハウル」なんです。最後の最後に、この人生が良かったか良くなかったかの答え合わせをするしかないなって思ったから、そんな想いをBメロの最後のほうに入れたんです」
――「紅蓮華」を書いている時の心持ちとも少し違うの?
「うん。違いますね。ライブをしてても、根拠ないけど“大丈夫!”って言えるの。本当に、フロアに居てくれる人に向かって、みんなに“大丈夫!”って言えるの。だって、ここに来てて、みんな今、こんなに最高なんだよ! すごくない!?って、言えるの。だからね、たぶん、きっとみんなには楽しくて素敵な未来しか待っていないと思うよ!って、胸張って言えるの。「ハウル」は、そんな想いを綴った置き手紙みたいな感じかな。それぞれの好きな人生を歩んだ後に、もう一回みんなで相談しよっか!って感じかな(笑)」
――なるほど、だから答え合わせなんだね。
「そう。みんな死ねないから生きてるの。楽しくなくちゃね」