江戸川乱歩による極彩色の迷宮世界を踏襲しながらも、全く新たな物語で稀代の悪女・お勢を描く舞台「お勢、断行」が、2月28日(金)~3月11日(水)に東京・世田谷パブリックシアターで上演される。
2017年に上演された「お勢登場」で江戸川乱歩によるケレン味あふれた8本の短編を、卓越した構成力で見事舞台化し好評を得た演出家・倉持裕が、極彩色に広がる乱歩の迷宮世界を踏襲しながらも、稀代の悪女・お勢という魅力的なキャラクターをモチーフに、善悪せめぎ合う全く新たな謀略の物語を立ち上げる。
自らも悪事に染まりながら、企みを巡らす人間たちに正義の鉄槌を下さんとする主人公・お勢を演じるのは倉科カナ。また、上白石萌歌が物語の中心となる謀略の被害者・資産家の娘で、おっとりとしたお嬢様らしい外見ながら、その奥に秘めた強い意志を感じさせる役どころを演じる。
目まぐるしく展開する人間模様の中、正義と悪の暴力について、時にユーモアを、時に背筋が凍るような恐ろしさを交えつつ、倉持独自の感性で紡がれる新たなストーリーに臨む倉科が、二度目となる倉持作品への思いや、“悪女”を演じることの心境などを語ってくれた。
初めての舞台主役に「すごくプレッシャー」
――舞台では初めて主役を演じられるということですが?
ドラマや映画と違って、舞台はお客さまがいらっしゃっているか、いらっしゃってないかというのが、幕が開いてからダイレクトに分かるものなので、私が主人公のお勢を演じることでお客さまがもしいらっしゃらなかったらどうしようと思って。すごくプレッシャーを感じていました。
ただ、私はこれまでいただいたお仕事を一つ一つ頑張っていくというスタイルでやらせていただいてきた中で、お勢という役を頂き、マネジャーさんともお話をしていたのですが、その地道にやってきた努力を見ていてくださる方がたくさんいるんだねって。
私は倉持さんという演出家さんが大好きで、(今回は)頑張ってきたご褒美のようなお芝居だなって。私に主役のお話が来るなんて、しかも大好きな倉持さんのお芝居は2度目で。本当にご褒美のようなお話だなって思いました。
――倉持さんの作品の魅力ってどんなところでしょう?
この間も舞台を見させていただいたんですが、すごくキュートですてきだったんですよね。言葉のセンスが素晴らしくて。卓越していらっしゃいますし、あのブラックユーモアがとても好きです。
2月28日(金)~3月11日(水)
会場=東京・世田谷パブリックシアター
※愛知・島根・兵庫・香川・長野にてツアー公演あり
原案=江戸川乱歩
作・演出=倉持裕
音楽=斎藤ネコ
出演=倉科カナ、上白石萌歌
江口のりこ、柳下大、池谷のぶえ、粕谷吉洋、千葉雅子
大空ゆうひ、正名僕蔵、梶原善
公式サイト=https://setagaya-pt.jp/performances/osei2020.html
※新型コロナウイルス感染症の拡散防止により、ツアー公演含め全日程の公演が中止となりました。